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ターミナル患者の対応はチーム力が試される

2018/10/31

 はいっ!どーも!!ターミナル患者さんへのアプローチは本当に個別最適化と多職種連携が必要だと再確認した新井です!

 前回、オキファスト(一般名オキシコドン塩酸塩水和物)で疼痛コントロールをする癌患者さんの話をお伝えしました(一筋縄じゃいかない麻薬の対応)。退院前カンファレンス(退院時共同指導)など事前の打ち合わせを済ませ、万全の準備をして初回訪問に行く、というところまで話したと思います。

 うちの薬局では、基本的に可能な限り医師の初回訪問に合わせて訪問するようにしています。というのも、医師の初回訪問時にサービス担当者会議が実施されたり、退院前カンファレンスが行われず退院してきた際に薬局では交付できない薬を退院時処方としてもらっていて、その場で処方設計をし直さなければならないことが往々にしてあるからです。

 何が起こるか分からない初回訪問。さて今回はというと…。

 まず目に飛び込んできたのはお薬カレンダーです。PTPシートを切った内服薬が1錠ずつ、セットされている状態でした。うーん、拒薬もあることだし「なんちゃって一包化」をして対応します(参考:やっぱり必要、診療情報提供書)。

 気になる麻薬の注射は……あれ?オキファスト注30mg/日に増えている(汗)。聞いていませんが、たった数日でいろいろ変わってしまうのがターミナル患者。この程度の変更は誤差範囲です。

医師「ちょっと痛みが強いみたいだから、36mg/日に増量して様子を見ましょう」

 あぁ、さらなる増量……。退院前カンファレンスでの決定より約10mg/日の増量には少しハラハラしましたが、とりあえず退院時処方のオキファストで2~3日なら持ちそうだったので、2日後に追加することになりました。

 2日後…。

家族「実は帰ってきてから、幻覚みたいな症状があったり、点滴を抜いてしまう事が多々あって…」

医師「せん妄については認知症によるものなのか、オキファストの増量によるものなのか判断しづらいですが、点滴を抜いてしまうのは困りますね。タイトレーションして内服薬に切り替えましょう」

 タイトレーションとは、オピオイドの投与量を決定することが難しい場合に、除痛できる必要な量まで段階的に速やかにオピオイドを増量し、痛みが十分軽減されたところでオピオイドの量を維持する方法のことです。どんどん変わっていく疼痛コントロール方法……。

著者プロフィール

新井翔(新井商事[東京都豊島区]取締役社長・exceed[大阪府八尾市]執行役員)あらい しょう氏 2007年城西大学薬学部卒業後、みよの台薬局(東京都北区)に入社し薬剤師1年目から在宅業務に携わる。田辺薬局(東京都中央区)、雄飛堂(東京都北区)勤務を経て、19年4月より現職。日本在宅薬学会評議員も務める。

連載の紹介

新井翔の「I love 在宅」
「在宅」に取り組もうとしたものの、現場の厳しさに心が折れそうになっていませんか?薬学部を卒業してから10年以上、在宅医療に体当たりで取り組んできた薬剤師の新井翔氏が、在宅医療の厳しさや喜びを現場からお伝えします。

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