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一筋縄じゃいかない麻薬の対応

2018/10/12

 はいっ!どーも!!患者さんの希望に対して、薬剤師としてヒトとして何ができるか日々頭を悩ませている新井です。

 今回は、の全身転移のため予後1カ月と診断され、自宅で療養することになった患者さん(80代男性)のケースを紹介します。

 ある日、訪問診療を行っている桜新町アーバンクリニック(東京都世田谷区)の薬剤師、大須賀悠子先生から「今月中旬に退院予定の患者さんがいるんだけど対応できませんか?」と問い合わせがありました。いつもなら何も考えず「喜んでっ!」と答えるところですが、こちらのクリニックは終末期(ターミナル)患者を多く受け入れているので、とりあえずどういった患者さんなのかを確認しました。

新井「あのー、疾患名や予定している処方内容について教えてもらえますか?」

大須賀「えーと、S状結腸癌術後再発で、肝、肺、頸部、腰部の転移が認められる患者さんで、予後1カ月とのことです。処方薬は◯◯と□□と△△で、疼痛コントロールをオキファスト注(一般名オキシコドン塩酸塩水和物)で行っています」

 やっぱり一筋縄じゃいかない依頼だった……。麻薬による疼痛コントロールの対応には少し注意が必要です(関連記事:毎回悩む、在宅での注射薬の対応)。オキファスト注は持続静注または持続皮下投与なので、IVH(中心静脈栄養法)ポート留置済みか、PCA(自己調節鎮痛法)ポンプを使うと考えられます。

新井「えっと、無菌調製には対応できるのでお受けできるのですが、流速や流量など細かい内容は教えてもらえますか?」

大須賀「こちらもまだ確認できていないので、後日確認してから連絡しますね」

 数日後…。

大須賀「例の流速、流量の件ですが、オキファスト注は約30mg/日でレスキューは1回1~2時間流量分みたいです」

新井「ふむふむ。何倍希釈でした?」

大須賀「明日、入院先に訪問して退院前カンファレンスをするので、ちゃんと確認してきますね」

新井「ありがとうございます!……直接聞いて、不安材料をできるだけ少なくしたいので、うちも参加していいですか?」

大須賀「来ていただけるのであれば、すごく助かります」

 とは言ったものの訪問予定がビッシリだったので、頼りになる同僚のヒデ君(病院勤務経験あり)に行ってもらうことにしました。

ヒデ「新井さん、行ってきました。聞き取りした内容を書面で報告するので確認してください」

新井「ありがとう、了解です!」

 報告の要点をまとめると、以下のような感じでした。

著者プロフィール

新井翔(つなぐ薬局[千葉県柏市]地域医療連携室室長、新井商事[東京都豊島区]取締役)あらい しょう氏 2007年城西大学薬学部卒業後、薬剤師1年目から在宅業務に携わる。20年5月より現職。日本在宅薬学会評議員も務める。

連載の紹介

新井翔の「I love 在宅」
「在宅」に取り組もうとしたものの、現場の厳しさに心が折れそうになっていませんか?薬学部を卒業してから10年以上、在宅医療に体当たりで取り組んできた薬剤師の新井翔氏が、在宅医療の厳しさや喜びを現場からお伝えします。

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