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オルベスコ出荷調整にみる、情報との向き合い方

2020/03/10
青島 周一

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の世界的な感染拡大が止まらない。未知のウイルス感染が徐々に広がっているという特殊な状況下で、社会全体が不安に包まれる中、ドラッグストアからティッシュやトイレットペーパーが消えたように、今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が社会にもたらしているのは、感染症を超えた「何か」である。少なくとも熱が出るとか、咳が出るとか、重症化する可能性があるとか、そういったことだけではない。

 様々なメディアが連日、SARS-CoV-2やCOVID-19について報道しているが、良くも悪くも情報は社会的に大きな影響を与える。今回はメディア情報が日本社会に与えた影響の例として、COVID-19 に対するシクレソニド(商品名オルベスコ)の症例報告を取り上げながら、人は自分が思うほど合理的かつ冷静な判断ができないという側面について考察するとともに、現代社会において医療・健康情報とどう向き合えば良いのか論じてみたい。

著者プロフィール

青島周一(病院勤務薬剤師、「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰)あおしま しゅういち氏 2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て、12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBMスタイル診療支援”の確立を目指し、多方面で活躍している。著書に 『ポリファーマシー解決!虎の巻』(日経BP) がある。

連載の紹介

青島周一の「医療・健康情報を読み解く」
インターネットの急速な普及により、様々な医療・健康情報が、誰でも手軽に入手できる時代となっています。しかし、それらは必ずしも妥当な内容を含んでいるとは限りません。本連載では、臨床医学に関する学術論文、つまり科学的根拠を取り上げながら、一般的な常識にとらわれず、医療・健康問題について薬剤師的視点で考察していきます。

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