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フレイルを早期発見・介入する意義は?

2019/11/13
青島 周一

 2019年10月末、厚生労働省が、後期高齢者を対象とした健診の内容を20年度から見直す方針であるという報道があった。フレイル状態にある高齢者を早期に把握するため、健診に用いる質問票が刷新されるそうである(質問票の詳細については、参考文献1を参照)。

 フレイル(Frailty)とは、加齢に伴う心身機能のレベル低下を指す概念である。我が国では14年5月に日本老年医学会がステートメントを出しており2)、フレイルを次のように定義している。

 「高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態で、筋力の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的問題のみならず、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題を含む概念」

 フレイルは加齢に伴う機能低下を表す概念の1つであるが、「老衰」や「衰弱」といった言葉からイメージされる「加齢に伴って不可逆的に老い衰えた状態」ではなく、適切な介入により、「再び健常な状態に戻る」という可逆性が包含されている。

 健診の質問票を見直す背景にも、フレイルを早期に発見し、積極的に介入する意図がうかがえるため、各メディアは「フレイル健診」などと呼んでいる。

 では、フレイルに対する適切な介入とは一体何なのか。早期発見・介入により、健康状態が本当に改善し得るのだろうか。今回は、フレイル健診とその介入について考察したい。

著者プロフィール

青島周一(病院勤務薬剤師、「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰)あおしま しゅういち氏 2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て、12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBMスタイル診療支援”の確立を目指し、多方面で活躍している。著書に 『ポリファーマシー解決!虎の巻』(日経BP) がある。

連載の紹介

青島周一の「医療・健康情報を読み解く」
インターネットの急速な普及により、様々な医療・健康情報が、誰でも手軽に入手できる時代となっています。しかし、それらは必ずしも妥当な内容を含んでいるとは限りません。本連載では、臨床医学に関する学術論文、つまり科学的根拠を取り上げながら、一般的な常識にとらわれず、医療・健康問題について薬剤師的視点で考察していきます。

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