DI Onlineのロゴ画像

インフルエンザに対する漢方薬の効果は?

2019/02/12
青島 周一

 インフルエンザ感染症の診断は、迅速診断キットによる検査結果に基づくことが多いように思うが、結果が陰性でもインフルエンザを否定できないケース(偽陰性)は少なくない。従って、検査陽性ならば抗ウイルス薬を処方し、陰性ならば処方しないという画一的な診療は、本来ナンセンスである(関連記事:『迅速診断で陰性ならインフルエンザじゃない?』)。

 神戸大学大学院医学系研究科教授の岩田健太郎氏らによるインフルエンザ診療方針の試案1)によれば、重症・ハイリスク患者においては、迅速診断キットの結果に関係なく抗ウイルス薬の使用を考慮するとされている。一方、重症でもハイリスクでもない患者では、抗ウイルス薬か漢方薬かを患者に選択させ、前者の場合、検査前確率が50%未満であれば検査を行い、それ以上であれば行わない。つまり、流行状況や臨床症状から目前の患者が50%以上の確率でインフルエンザに罹患していると考えられれば、検査なしで抗ウイルス薬を処方する。また、漢方薬の処方に際しては、検査前確率に関わらず検査は行わないとしている。

 インフルエンザ感染症に対する標準的な薬物療法は抗ウイルス薬だと言えるが、その効果については、これまでも以下の記事で考察しているので、参考にしてほしい。
 ・「抗インフルエンザ薬が効く」とはどういうことか
 ・バロキサビルは“革新的”な新薬なのか?

 今回は、インフルエンザ感染症に対する漢方薬の有効性について考察していく。

著者プロフィール

青島周一(病院勤務薬剤師、「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰)あおしま しゅういち氏 2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て、12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBMスタイル診療支援”の確立を目指し、多方面で活躍している。著書に 『ポリファーマシー解決!虎の巻』(日経BP) がある。

連載の紹介

青島周一の「医療・健康情報を読み解く」
インターネットの急速な普及により、様々な医療・健康情報が、誰でも手軽に入手できる時代となっています。しかし、それらは必ずしも妥当な内容を含んでいるとは限りません。本連載では、臨床医学に関する学術論文、つまり科学的根拠を取り上げながら、一般的な常識にとらわれず、医療・健康問題について薬剤師的視点で考察していきます。

この記事を読んでいる人におすすめ