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DPP-4阻害薬の「有効性」とは何か?

2017/10/27
青島 周一

 DPP-4阻害薬は、活性型インクレチン濃度を上昇させることで血糖降下作用を示すが、血糖値依存的にインスリン分泌促進作用、グルカゴン濃度低下作用を増強させ、低血糖が起きにくいと考えられている1,2)。このような薬理学的アプローチは、血糖降下薬として理想的な薬剤という印象を持つ人も多いだろう。

 2015年11月には、持続性DPP-4阻害薬オマリグリプチン(商品名マリゼブ)が世界に先駆け日本で発売された。同薬は週1回の投与でシタグリプチンリン酸塩水和物(グラクティブ)と同等の血糖降下作用を有することが、国内第III相臨床試験で示されている。

 この驚くべき持続性のメカニズムは、(1)見かけの分布容積が大きく組織中に広く分布し、(2)ほとんど代謝を受けず、未変化体として腎から排泄され、(3)能動的透過により腎から再吸収されるためクリアランスが低い――という特徴的な薬物動態プロファイルに起因している3)

 一般的に慢性疾患用薬の服薬アドヒアランスは良好とは言えず4,5) 、週1回の服用で血糖降下作用が持続するオマリグリプチンは、服薬アドヒアランスの観点からも大きなアドバンテージを有しているように思われる。

 今回は、理想的な糖尿病治療薬ともいえるオマリグリプチンに関するランダム化比較試験の論文を紹介した上で、DPP-4阻害薬の有効性について改めて考えてみたい。

著者プロフィール

青島周一(病院勤務薬剤師、「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰)あおしま しゅういち氏 2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て、12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBMスタイル診療支援”の確立を目指し、多方面で活躍している。著書に 『ポリファーマシー解決!虎の巻』(日経BP) がある。

連載の紹介

青島周一の「医療・健康情報を読み解く」
インターネットの急速な普及により、様々な医療・健康情報が、誰でも手軽に入手できる時代となっています。しかし、それらは必ずしも妥当な内容を含んでいるとは限りません。本連載では、臨床医学に関する学術論文、つまり科学的根拠を取り上げながら、一般的な常識にとらわれず、医療・健康問題について薬剤師的視点で考察していきます。

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