日経メディカルのロゴ画像

BMS 対 SES、5年間の総死亡リスクはSES群が有意に低く
冠動脈ステントに関する調査研究の成果

 冠動脈インターベンション術を受けた症例を5年間にわたって追跡した結果、総死亡リスクはベアメタルステント(BMS)群に比べてシロリムス溶出ステント(SES)群で有意に低いことが示された。独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が実施した「冠動脈ステントに関する調査研究」の成果で、最終報告書が6月27日にPMDAのホームページ上で公開された。

 「冠動脈ステントに関する調査研究」は、国内初のDES発売から3年間(2005~2007年)に初回PCIあるいはCABGが実施された症例について、その治療実態を把握する目的で行われた。具体的には、治療成績の評価を把握するとともに、治療成績に影響する因子を探索し、さらに実態を踏まえた医療機器の不具合評価体制を構築する要件も検討した。

 研究デザインは多施設共同観察研究で、調査対象は2005年1月~2007年12月の3年間に初回PCIあるいはCABGを行った全症例。急性心筋梗塞の症例においては、PCIおよびCABGの既往例も登録対象とした。2005~2006年の症例については登録後少なくとも5年間、2007年の症例については登録後少なくとも4年間のフォローを行った。

 2005~2007年に初回PCIあるいはCABGを行った症例は1万6468例。内訳はPCI施行例が1万3649例、CABG施行例が2819例だった。研究参加への不同意例や合併症手術例などを除いた1万5759例が今回の追跡調査の解析対象となった。このうち初回PCI群は1万3058人、初回単独CABG群は2173人だった。追跡率は、4年間(2007年症例)が94.8%、5年間(2005~2006年症例)は92.8%と、それぞれ高率だった。 

 調査ではまず、SES群とBMS群の治療成績について解析を行った。その結果、初回PCIを実施した症例のうち、SESのみの患者(SES群、5078人)とBMSのみの患者(BMS群、5392人)を対象に治療成績を評価したところ、総死亡リスクはSES群のほうがBMS群に比べて有意に低かった(調整後ハザード比:0.84、95%信頼区間[95%CI]:0.74-0.96、P=0.008)。ステント血栓症リスクは、BMS群とSES群に有意な差は見られなった(調整後ハザード比:0.87、95%CI:0.56-1.37、P=0.55、表1)。

この記事を読んでいる人におすすめ