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第44回日本心臓血管外科学会
新専門医制度に向け心臓血管外科専門医研修プログラム整備指針(案)を提示
研修施設は病院群決定、研修プログラム作成をどう行うべきか

3学会構成心臓血管外科専門医認定機構代表幹事の橋本和弘氏(東京慈恵会医科大学心臓外科教授)

 新しい専門医制度に基づいた研修が2017年度からスタートする。各領域で専門医の認定、更新のシステム変更が検討されている。心臓血管外科専門医に関しては、どんな変更があるのだろうか――。3学会構成心臓血管外科専門医認定機構代表幹事の橋本和弘氏(東京慈恵会医科大学心臓外科教授)は、第44回日本心臓血管外科学会学術総会(2月19~21日、開催地:熊本市)の特別企画「新たな専門医制度」で、2月18日現在の心臓血管外科専門医研修プログラム整備指針(案)を提示。「現行の心臓血管外科専門医資格要件は、新制度の資格要件をほぼ満たしており、大きな見直しの必要はないだろうと考えられるが、新制度においてはカリキュラムに沿ったプログラムの提出が求められることになる」と指摘した。研修施設は、修練内容や到達目標を考慮して、時期、期間を明確にしたカリキュラムに沿ってプログラムを作成、提出する必要があるようだ。

 橋本氏は、新制度移行に伴う作業を今年中に、次のような流れで進めていくとした。まず、心臓血管外科プログラム評価委員会(現在の心臓血管外科専門医認定機構)が、3月発足予定の日本専門医機構に、心臓血管外科専門医研修プログラム整備指針(案)を提出し、評価、認定を受ける。整備指針が認定されたら、心臓血管外科プログラム評価委員会は、プログラム整備指針に基づいて研修施設が作成した研修プログラムを受け付け、評価する。研修プログラムはさらに、プログラム評価委員会から日本専門医機構に提出され、評価、認定を受ける。

 研修施設が行うことは、プログラム整備指針に基づいた病院群の決定と研修プログラムの作成、提出だ。提出期限は未定だが、今年中であることは間違いないようだ。橋本氏は今学術総会で、新制度下における病院群決定とプログラム作成の考え方について説明した。

基幹病院に「主導的に一貫した育成実績」求める
 病院群は、基幹病院を中心に、成人心臓、先天性、胸部大血管、腹部・末梢血管という4つのコア領域すべてをカバーできるように構成する必要がある。1つの病院群で4領域をカバーできない場合は、他の病院群との間で1つの連携病院を共有するといった構成も可能となる。さらに、1つの病院群で心臓外科プログラム、別の病院群で血管外科プログラムを担当するというような、複数の基幹病院を有する構成もあり得る。

 基幹病院の条件は、年間手術症例数としては、100例以上で現在と同じ。血管外科施設も100例だが、カテゴリー別の基準を新たに設けた。すなわち、カテゴリー1(腹部大動脈)+カテゴリー3(胸部大動脈)で20例以上、カテゴリー2(末梢動脈)で30例以上、カテゴリー4(静脈系)+カテゴリー5(血管外科疾患)で20例以上が必要となる。

 基幹病院の条件として特に重視されるのは研修実績だ。まず、新制度導入時に、現行制度での基幹病院実績が7年以上あることが求められる。さらに、重要なポイントとなる「主導的に一貫した修練医の育成実績」を付け加えた。「一貫した育成実績」とは、修練開始から外科・心臓血管外科専門医試験受験まで、あるいは外科専門医取得後から心臓血管外科専門医試験受験までの実績を指す。

 基幹病院の指導体制に関しては、指導医(現在の修練指導者)資格者から選出されたプログラム責任者1名、指導医2名以上が在籍することが条件となる。

 連携病院の条件は、年間手術症例数が現行基準と同じ50例以上。心臓外科施設では、開心術が50例中40例以上を占めている必要がある。血管外科施設では、カテゴリー別の基準を設けた。

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