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第45回日本動脈硬化学会
関連各学会との連携により包括的管理のさらなる充実を
動脈硬化性疾患予防ガイドラインの今後

2013/08/07
高橋浩=メディカルライター

京都大学医学部附属病院臨床研究総合センター早期臨床試験部の横出正之氏

 動脈硬化性疾患の予防では、脂質異常症のみならず、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満なども含めた、包括的な危険因子の管理が重要であり、近年その認識が一層高まっている。そこで、昨年6月に発刊された「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版」(以下、ガイドライン2012)では、関連8学会のリエゾン委員の協力を得て、新たに包括的管理のあり方に関する項目を設け、包括的管理の大まかな手順をフローチャートの形で提示した。策定に携わった京都大学医学部附属病院臨床研究総合センター早期臨床試験部の横出正之氏は、第45回日本動脈硬化学会(7月18~19日、開催地:東京都)の特別企画「ガイドラインをめぐって」で、ガイドライン2012の課題や今後の方向性について言及。「関連各学会との連携とハーモナイゼーションにより、さらなる包括的予防ならびに治療の実践への展開を期待したい」と述べ、関連各学会がより緊密に連携しながら、動脈硬化性疾患予防のための集学的な包括的管理のあり方を策定していく必要性を示唆した。

 2012年にLancet誌で、RCT 27試験、計17万例以上の患者を対象としたメタ解析の結果がCholesterol Treatment Trialists(CTT)により発表された。LDL-C 1.0mmol/L(約38mg/dL)の低下により、主要心血管イベント発症リスクは約30%減少した。LDL-C低下の意義が大きいことが確認されたが、一方で、LDL-C以外のリスク、いわゆる残余リスクの影響がいかに大きかということを印象付けた。

 横出氏は「脂質異常症、特に高LDL-C血症の是正だけでは解決できない残余リスクが厳然としてあり、これにどう向かい合っていくかが動脈硬化性疾患予防を考えていくうえで非常に重要な課題であり、ガイドライン策定に課せられた使命ではないか」と述べた。

 ガイドライン2012で示された「動脈硬化性疾患予防のための包括的リスク管理チャート」は7つのステップで構成されている。「スクリーニング」「危険因子の評価」「絶対リスクに基づくリスクの層別化」の3ステップを経て、ステップ4で「リスクに応じた治療指針の決定」を行い、ステップ5の「各疾患の管理目標」に応じた治療、ステップ6の「生活習慣の改善」、ステップ7の「薬物療法」へと進んでいく。「各疾患の管理目標」では、脂質異常症、高血圧、糖尿病の管理目標レベルが並列の形で提示されている(図1)。

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