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第22回日本心血管インターベンション治療学会
TAVI施設基準案が固まる、年内にも保険診療がスタート

 大動脈弁置換術のハイリスク・施術不能の重症大動脈弁狭窄症患者に対する新たな治療法として欧米を中心に普及が進んでいる経カテーテル的大動脈弁留置術TAVI;transcatheter aortic valve implantation)が、日本でもいよいよ保険診療の場に登場する。保険診療スタートの前提となるTAVI施設基準案については、経カテーテル的大動脈弁留置術関連学会協議会が議論を重ねてきたが、このほど基準案がまとまった。日本心血管インターベンション治療学会理事長を務める木村剛氏(京都大学循環器内科)は、第22回学術集会(7月11~13日、神戸開催)でその概要を報告した。

 まず施設基準の要となる手術実績は、(1)緊急開心、胸部大動脈手術の経験があること、(2)大動脈弁置換術(大動脈基部置換術を含む)が年間20例以上あること、(3)冠動脈に関する血管内治療(PCI)が年間100例以上あること、(4)大動脈に対するステントグラフト治療(TEVARまたはEVAR)が年間10例以上あること、の4点に集約された。

 人員については、(1)日本心臓血管外科専門医が3人以上在籍すること、(2)日本循環器学会認定循環器専門医が3人以上在籍すること、(3)日本心血管インターベンション治療学会専門医が1人以上在籍すること、(4)経食道心エコー検査が年間200例以上行われていること、(5)実際の手技に当たっては、循環器内科専門医と心臓血管外科専門医がそれぞれ1人以上参加すること、(6)上記基準のメンバーを含めたハートチームが、手術適応から手技および術前術中術後管理にわたりバランスよく機能していること、の6点が挙がった。

 施設については、(1)心臓血管外科専門医基幹施設であること、(2)日本心血管インターベンション治療学会研修施設あるいは研修関連施設であること、(3)日本循環器認定専門医研修施設であること、の3点となった。

 設備については、(1)開心術が可能な手術室で設置型透視装置を備えており(ハイブリッド手術室)、また必要な設備及び装置を清潔下で使用できる十分なスペースがある、が盛り込まれた。ここでいいうハイブリッド手術室の基準としては、空気清浄度class2以上、設置型透視装置を備える、速やかに開胸手術に移行可能である――が必要とされた。設置基準にはこのほか、(2)術中経食道心エコー検査が実施可能であること、(3)経皮的心肺補助装置、緊急開心・胸部大動脈手術が実施可能であること、(4)施設として、麻酔科医/体外循環技術認定士の緊急動員に配慮すること、(5)各施設においてTAVR開始に当たっては、現地調査(インスペクション)による施設認定を必須とする――が設定された。

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