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ESC2012
外科的左房アブレーション術が1年後の洞調律復帰率を改善
1年後の臨床転帰は改善せず――PRAGUE-12試験より

2012/09/11
編集部

 心房細動患者に対して行われる心臓手術時の外科的左房アブレーション術MAZE手術)は、周術期合併症を増加させることなく、1年後の洞調律復帰率を改善したことが示された。ただし、1年後の臨床転帰は改善しなかった。PRAGUE-12(Primary Angioplasty in Patients Transferred from General Community Hospitals to Specialized PTCA Units with or without Emergency Thrombolysis-12)試験の成果で、チェコCharles University PragueのPetr Widimsky氏らが8月にミュンヘンで開催された欧州心臓学会(ESC2012)で発表した。

 PRAGUE-12試験は、オープン・ランダム化前向き多施設(3施設)試験。心臓手術を予定している心房細動(AF)患者に対して、同時にMAZE手術を行うことによって、周術期合併症を増加させることなく洞調律復帰率を高め、長期予後も改善するという仮説を検証する目的で実施された。

 有効性の主要評価項目は、手術から1年後の洞調律。安全性の主要評価項目は、30日後の死亡、心筋梗塞、脳卒中/一過性脳虚血発作、透析導入が必要な新規腎不全の複合エンドポイントだった。さらに、長期の臨床転帰の評価項目は、1年および5年後の死亡、大出血、脳卒中/一過性脳虚血発作、心不全による再入院の複合エンドポイントとした。追跡期間は5年で、今回は1年後の成果が報告された。

 対象は224例で、18歳以上で、弁置換・形成術、CABGが予定されているAF症例。

 試験では、117例が心臓手術時にMAZE手術を実施する群(MAZE群)に、107例がMAZE手術を実施しない群(非MAZE群)に無作為に割り付けられた。

 試験の結果、MAZE手術による手術時間の延長は20分(MAZE群;220分 vs. 非MAZE群;200分)だった。

 有効性の主要評価項目である手術から1年後の洞調律は、MAZE群が60.2%だったのに対し、非MAZE群が35.5%と、MAZE群の方が有意に高かった(P=0.002)。また、安全性の主要評価項目である30日後の死亡、心筋梗塞、脳卒中/一過性脳虚血発作、透析導入が必要な新規腎不全の複合エンドポイントは、MAZE群が10.3%、非MAZE群が14.7%と、両群に有意な差はなかった(P=0.411)。長期の臨床転帰については、1年後の時点での死亡、大出血、脳卒中/一過性脳虚血発作、心不全による再入院の複合エンドポイントは、MAZE群(111例)が40.5%、非MAZE群(92例)が40.2%と、両群に有意な差はなかった(P=0.785)。

 なお、AFの病型別にみたところ、発作性および持続性AFでは有意な群間差はなかったが(ぞれぞれP=1.000、P=0.194)、永続性AFではMAZE群の洞調律復帰率が有意に高かった(53.2% vs. 13.9%、P<0.001)。

 長期の臨床転帰については、5年後の評価も行われる。MAZE手術によって1年後の臨床転帰は改善されなかったが、5年後の転帰はどうなるのか、その成果に期待したい。

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