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ESC2012
ZESとSES、冠動脈閉塞患者における3年後のステント血栓症の発生率は同等

2012/09/03
編集部

 実臨床において、冠動脈閉塞患者における3年後のステント血栓症の発生率は、ゾタロリムス溶出ステント(ZES)はシロリムス溶出ステント(SES)と同等であることが示された。PROTECT(Patient Related Outcomes with Endeavor versus Cypher Stenting Trial)の成果で、ベルギーOLV Ziekenhuis Cardiovascular CenterのWilliam Wijns氏らが8月にミュンヘンで開催された欧州心臓学会(ESC2012)で発表した。

 PROTECT試験は、前向きランダム化オープン多施設研究で、5大陸の196医療施設が参加した。ステントの導入が必要な患者を対象に、ゾタロリムス溶出ステント(ZES、EndeavorTM)とシロリムス溶出ステント(SES、CypherTM)の遠隔期ステント血栓症発生率を比較検討した。

 対象は8709例で、ZESまたはSESの適応症例とした。病変・血管数に制限は設けていない。試験の主要評価項目は、3年後のステント血栓症(ARC定義のdefinite, probable)だった。副次的評価項目は、全死亡と重度心筋梗塞、全死亡と非致死性心筋梗塞、心臓死と重度心筋梗塞、心臓死と非致死性心筋梗塞などだった。

 登録時の患者背景をみると、平均年齢は62.2±10.6歳、男性の割合は76.3%で、糖尿病が27.2%、心筋梗塞(MI)既往例が20.5%、PCI歴が12.5%などだった。追跡期間は3年で、登録期間は2007年5月から2008年12月までだった。

 ランダム化の結果、ZES群が4357例、SES群が4352例となった。両群の患者背景には、著しい差は認めなかった。

 主要評価項目は、ZES群が1.42%だったのに対し、SES群が1.79%で、両者に有意差は認められなかった(ハザード比:0.81、95%信頼区間:0.58-1.14、P=0.224)。

 そのほかの評価項目では、3年後の標的病変の再血行再建術(TLR)は、ZES群5.6%に対しSES群3.5%で、SES群が有意に少なかった(P<0.0001)。また、3年後の標的血管再血行再建術(TVR)はZES群8.2%に対しSES群7.1%、MACE(死亡、MI、TLR、緊急CABG)はZES群12.3%に対しSES群10.8%、MACCE(MACE+脳卒中)はZES群13.5%に対しSES群11.8%で、それぞれSES群が有意にイベントが少なかった(順に、P=0.03、P=0.02、P=0.02)。

 ただし、1年後から3年後のステント血栓症で見た場合は、ZES群の方がSES群より有意に少なかった(0.3% vs. 1.1%、P<0.001)。

 なお、PROTECTの成果は、Lancet誌に同時発表となっている。

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