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日本冠動脈外科学会2012
単独CABGの死亡率が上昇――日本冠動脈外科学会の2011年全国アンケート調査

2012/07/24
高橋 浩=メディカルライター

日本冠動脈外科学会理事長の瀬在幸安氏

 日本冠動脈外科学会が毎年行っている全国アンケート調査で、2011年に行われた単独冠動脈バイパス術(CABG)の死亡率が2.72%まで1ポイント以上上昇し、過去10年で最悪となったことが分かった。単独CABGのなかでも、初回待機手術のoff-pump完遂例における死亡率が前年に比べて著しく上昇したこと、PCI後の合併症に対する緊急CABGの死亡率がきわめて高かったことなどが影響している可能性がある。第17回日本冠動脈外科学会学術大会(7月12~13日、開催地:東京)で、同学会理事長の瀬在幸安氏が報告した。

 同学会の全国アンケート調査は、わが国のCABGの現状を把握する目的で、学会が発足した1996年から毎年行われている。全国規模のCABG年次調査は世界的にも珍しい。

 今回報告されたのは、2011年1月1日~12月31日に実施されたCABGの成績。全国の心臓血管外科施設436施設に協力を依頼し、288施設(回答率66.1%)より寄せられた回答を分析した結果だ。

 分析対象となったCABG症例は計1万2425例で、うち単独手術が8990例(72.4%)、合併手術が3435例(27.6%)。単独手術のうち、初回待機手術は7454例(82.9%)、それ以外の手術が1536例(17.1%)。

 Off-pumpによるCABGの割合は年々高くなっているが、2011年も前年より上昇し、初回待機手術で66.7%、その他の手術でも55.1%を占めた。初回待機手術におけるoff-pump完遂率は96.2%。残る3.8%は、off-pumpからon-pumpへの移行例で、前年の2.3%より増えた。

 死亡率を検討すると、単独CABG全体で2.72%、うち初回待機手術で2.12%と、いずれも前年の1.45%、0.75%を大きく上回り、過去10年で最悪の成績となった。死亡率は調査開始以来、ほぼ年を追うごとに低下しており、2008年には単独CABG症例全体で1.5%を切った。しかし、2009年に上昇して2%を超え、2010年には再び低下して1.45%という最も低い死亡率を示した。ところが、2011年にまた上昇に転じ、乱高下が続いている(図1)。

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