日本動脈硬化学会はこのほど、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012版」を発行した。前回の2007年版から5年ぶりの改訂となった2012年版の主な改訂点は、(1)絶対リスク評価による患者の層別化、(2)診断基準における境界域の新設、(3)脂質管理目標値へのnon HDL-Cの導入、(4)動脈硬化性疾患の包括的管理、(5)高リスク病態によるリスク層別化の強化──の5つに集約できる。これらの項目ごとに改訂のポイントをピックアップした。今回は「診断基準における境界域の新設」と「脂質管理目標値へのnon HDL-Cの導入」を取り上げる。
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012版(以下、ガイドライン2012)では、従来の脂質異常症の診断基準をスクリーニングのための診断基準(表1)と名称を変更し、目的を明確化した。その上で、「境界域高コレステロール血症」を新設し、「LDL-C値120-139mg/dL」という基準を明示した。
スクリーニング時に対象者が「境界域」だった場合は、生活習慣改善の必要性を伝えるとともに、他の危険因子を慎重に評価し治療の必要性を判断することになる。ガイドラインでは「高リスク病態がないか検討し、治療の必要性を考慮する」との注書きを添えており、境界型の新設の目的が高リスク病態のスクリーニングにあることを強調している。
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