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米国心臓協会(AHA)2011
生活習慣の小さな改善が死亡率減少につながる
喫煙、運動、食事、BMIどれか1つの改善でも総死亡のリスクが2割減

2012/01/04
増谷 彩=日経メディカル別冊

米国バーモント大学のMart Cushman氏

 体重指数(BMI)や喫煙状況など4つの生活習慣と、血圧や血糖など3つの検査値を合わせた7つの指標のうち、1つでも改善されれば、死亡率の有意な減少につながることが分かった。米国バーモント大学のMart Cushman氏らが、フロリダ州オーランドで開催された第84回米国心臓協会・学術集会(AHA2011)で報告した。

 心血管疾患と脳卒中を発症する人の大多数は、保有する危険因子数が平均的もしくは低い人だ。そこで、危険因子の保有状況を国民全体で低い方へとシフトさせれば、心血管疾患をより予防できる可能性がある。これは、米国人の心血管の健康状態を2020年までに20%改善しようとして提唱されている「AHA 2020 Impact Goal」のベースにもなっている。

 今回、Cushman氏らは、「Life's Simple 7」と呼ばれている7つの因子(血圧コレステロール血糖BMI喫煙状況運動習慣、健康的な食事習慣)の改善が、死亡率の減少に寄与するかどうかを検討した。

 対象は、脳卒中の危険因子を調べるコホート研究「REGARDS」の登録者である45歳以上98歳以下の男女、1万7794例とした。心血管疾患の既往例などは除外した。電話により、死亡を含む予後を年2回、追跡調査した。

 Life's Simple 7の各因子において、以下の条件を満たした場合に、「良い(Ideal)」と定義し、それぞれ「良い(Ideal)」3点、「普通(Intermediate)」2点、「悪い(Poor)」1点と点数化し、合計スコアを求めた。

・喫煙状況:非喫煙もしくは12カ月超の禁煙
・BMI:25 kg/m2未満
・運動:週150分以上の中等度の運動もしくは週75分以上の激しい運動の実施
・食事習慣:REGARDSの定める5項目のうち4項目以上の実践
・コレステロール:200mg/dL未満
・血圧:120/80mmHg未満
・血糖:100mg/dL未満。

 「良い」が3個以下だった1万3709例と、4個以上だった4085例について、被験者の背景因子を比較すると、年齢(3個以下群:65歳 vs. 4個以上群:64歳、以下同様)、女性比率(56% vs. 57%)では群間差は見られなかった。

 一方、黒人比率(36% vs. 19%)、高血圧(64% vs. 27%)、糖尿病(22% vs. 2%)、脂質異常症(40% vs. 13%)、喫煙率(16% vs. 5%)、高卒未満率(10% vs. 5%)、収入2万米ドル未満(16% vs. 10%)、CRP(2.4mg/L vs. 1.3mg/L)などでは、3個以下群の方が高率だった。
 

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