わが国で行われる冠動脈バイパス術(CABG)の6割は、人工心肺を用いないオフポンプCABG(OPCAB)で行われている。だが、急性冠症候群(ACS)、なかでも不安定狭心症患者に対する緊急CABGについてもOPCABが第1選択となるかは、まだ結論が出ていない。第64回日本胸部外科学会定期学術集会(10月9日~12日、開催地:名古屋市)のディベート「不安定狭心症の手術戦略:on vs off pump CABG」では、自施設での成績や治療方針を踏まえ4人の演者が、どのような治療戦略が最適かを議論した。
確実な吻合と血行再建を望めるのが人工心肺を用いたオンポンプ手術のメリットだが、腎機能低下や脳血管障害リスクの上昇といったデメリットを伴う。対するOPCABは、人工心肺の使用によるリスクを回避できるが、不安定な血行動態や不完全な血行再建によるリスクが生じる。OPCABからオンポンプにコンバージョンされた症例では死亡率や脳卒中の発生率が高いことも指摘されている。もともとリスクが高い不安定狭心症の症例に対してどちらの手技を選択するか、判断が分かれるところだ。
TOPICS
日本胸部外科学会2011
不安定狭心症へのCABG、on pumpかoff pumpか
hANPを使う日大は「on」、阪大はAMIでなければ「off」
2011/12/19
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