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米国心臓協会(AHA)2011
糖尿病は高血圧とは独立して左室弛緩能を障害
降圧によるe'の改善に差、CALVLOC研究サブ解析

2011/12/05
編集部

桜橋渡辺病院の岩倉克臣氏

 高血圧糖尿病が合併すると予後は不良となるが、その詳細な機序は明らかではない。左室拡張不全を伴う高血圧患者を対象にした検討から、糖尿病を合併すると左室弛緩能の障害がより高度となること、また糖尿病合併例では降圧薬投与により血圧がコントロールされても、左室弛緩能の改善は糖尿病非合併例までには改善しないことが明らかになった。桜橋渡辺病院(大阪市)内科部長の岩倉克臣氏らが、フロリダ州オーランドで開催された第84回米国心臓協会・学術集会(AHA2011)で報告した。

 同氏らは既に、左室拡張不全を伴う高血圧患者を対象にCa拮抗薬アゼルニジピンの有用性を検討したCALVLOC研究から、同薬剤による左室弛緩能の改善を報告している。

 今回はそのサブ解析として、糖尿病の合併が高血圧患者の左室機能に及ぼす影響、およびアゼルニジピンが糖尿病合併高血圧患者の左室弛緩能を改善するかを検討した。

 対象はCALVLOC研究の対象者中、ステージI~IIの本態性高血圧患者で、左室駆出率(EF)は正常(50%以上)だが、左室弛緩能が障害(拡張早期僧房弁輪速度[e']が8cm/sec未満)されていた228例とした。持続性心房細動患者、アムロジピン以外のCa拮抗薬の投与例は除外した。

 全例にアゼルニジピン(16mg/日)を24週間投与した。アムロジピンが投与されていた症例では、アムロジピンをアゼルニジピンに直接切り替えた。評価項目は血圧値、心拍数、e'を含むエコー所見の変化とした。

 糖尿病合併群(51例)と非合併群(177例)の間で、ベースラインにおける収縮期血圧(SBP)、心拍数、左室心筋重量には有意な違いはなかったが、e'は糖尿病合併群で有意に低かった(5.6cm/s vs. 6.1 cm/s、P=0.03)。また、HbA1cとe'の間には、弱いながら有意な負の相関が見られた(r=0.20、P=0.003)。

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