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循環器プレミアム速報
インターネット経由の心電解析装置MCG、日本上陸
冠動脈疾患の診断感度9割、4万人のデータベースと照合し判定

2011/11/21
大滝 隆行

 V5誘導とII誘導から得られる心電信号を、コンピューターを用いて周波数帯域に変換し解析することで心筋虚血などの病態を高精度に検知する新技術を取り入れた心電計を、東レ・メディカルが12月1日に日本で発売する。

 この心電解析技術は、米国ニューヨークの医療機器ベンチャーであるプレミアハート社が開発。「MultiFunction-CardioGram」(MCG)という商標で、既にFDA(米食品医薬品局)の承認およびCPTコード(米国保険コード)を取得している。

 MCGは、専用の心電計から得られた患者の心電信号をインターネット経由で米プレミアハート社の解析センターに送信し、データベースにある約4万人の解析結果と照合することにより心筋虚血などの度合いをスコア化する。解析結果が出るまでにかかる時間は5分程度。

 通常の心電計では、心筋の活動電位の経時的な変化(波形)を計測することで心筋虚血などの状態を判断するのに対し、MCGでは82秒間にV5誘導とII誘導から得られた心電波形を6つの関数式を用いてフーリエ変換し、周波数帯ごとの特徴を計測することで心筋の微細な異常を自動検知する。1枝狭窄40%以上の状態から検知可能だという。

 プレミアハート社は、過去30年間にわたり約1万2000例の健常者と約2万8000例の様々な心臓疾患患者のMCG解析データを蓄積してきた。同社の開発チームはこの集積データから、波形を周波数帯域に変換しても健常者と心臓疾患患者に違いが見られることを発見した。

 さらに開発チームは、患者に見られる周波数帯域の特徴的変化は一定時間内における心筋血流の増減などと関連し、そのような心機能に関する特徴的変化は160以上あることを見いだした。

 これまでに、冠動脈造影検査をゴールドスタンダードとして、冠動脈有意狭窄(70%超)に対するMCGの診断精度を検討した臨床試験が複数行われている。
 

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