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日本高血圧学会2011
脳・心血管疾患の予防には厳格な降圧を
オルメサルタン投与患者を3年間追跡したOMEGA Studyの結果

2011/11/17
編集部

帝京大内科の寺本民生氏

 脳・心血管疾患を予防するには正常血圧を目標とした厳格な降圧が重要であること、また食習慣との関連では脳血管疾患予防に食塩制限が有効であることが、日本人の本態性高血圧患者1万5000例あまりを3年間追跡した大規模な前向きコホート研究「OMEGA Study」から明らかになった。第34回日本高血圧学会総会(10月20~22日、開催地:宇都宮市)で、主要な結果を帝京大内科の寺本民生氏が報告した。

 OMEGA Studyは、アンジオテンシンII受容体拮抗薬ARBオルメサルタンが投与された本態性高血圧患者を対象に、(1)血圧到達値、(2)メタボリックシンドローム(Mets)の有無、(3)食習慣――の各項目と脳・心血管疾患の発症との関連を検討するために実施された。

 調査期間は2005年7月~2010年6月、追跡期間は3年間。評価項目は脳・心血管疾患(脳血管疾患として脳梗塞・脳出血・くも膜下出血、心血管疾患として心筋梗塞・狭心症による心インターベンション・心インターベンション以外の狭心症による入院、突然死)とした。

 対象は50~79歳の本態性高血圧患者とし、過去6カ月以内に心筋梗塞・心インターベンション・脳卒中の既往がある症例、重篤な肝・腎機能障害のある症例などは除外した。1万5255例が登録されたが、データ欠損などから534例が除外され、1万4721例が解析対象となった。

 ベースラインの患者背景は、男性比率50.4%、平均年齢64.9歳、体重指数(BMI)24.75kg/m2で、68.5%に合併症があり、その内訳は脂質異常症48.2%、糖尿病24.4%、肝疾患12.1%などだった。また9.8%に、脳・心血管疾患の既往があった。日本基準でのMetsの合併率は24.1%だった(Metsなし49.1%、不明26.8%)。

 ベースラインのオルメサルタンの1日投与量は平均値17.3mgで、3年間の追跡期間を通じてほとんど変わらなかった。

 同薬投与により、血圧はベースラインの157.4/88.8mmHgから6カ月後137.5/78.9mmHg、36カ月後134.0/76.1mmHgと、6カ月以降は収縮期/拡張期ともに有意に低下した(どちらもP<0.01)。脈拍数も、74.0/分から6カ月後72.5/分、36カ月後72.0/分と、6カ月以降は有意に低下した(P<0.01)。
 

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