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米国心臓病学会(ACC)2011
高齢者高血圧の追加治療、ARB増量かCCB併用か
ハイリスク高齢患者を対象としたOSCAR Study、結果は同等

2011/05/13
編集部

熊本大の小川久雄氏

 高齢者高血圧に対する薬物療法としてわが国では、アンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)、Ca拮抗薬がともに第1選択薬として位置付けられている。ARBは、特に糖尿病性腎症や心不全に対して、イベント発生抑制効果が用量依存性に増強することが知られている。

 では、ARBによる降圧治療を受けているものの降圧が不十分な患者の追加治療としては、ARBの増量あるいはCa拮抗薬の追加のどちらがより有効なのか――。

 この疑問を解決するため、日本人の高齢ハイリスク高血圧患者を対象に行われた「OSCAR StudyOlmeSartan and Calcium Antagonists Randomized Study)」から、追加治療としてのARBの増量とARB・Ca拮抗薬の併用は、心血管イベント抑制の観点から同等であることが明らかになった。

 第60回米国心臓病学会ACC2011、4月2~5日、開催地:米国ニューオーリンズ)のLate-Breaking Clinical Trialsで、熊本大循環器病態学の小川久雄氏が発表した。

 本試験はPROBE法により、わが国の134施設で実施された並行群間比較試験。対象は2005年6月~07年5月に受診した65~84歳の高齢高血圧患者で、心血管リスク因子として脳血管障害、心疾患、血管疾患、腎障害、2型糖尿病のうち少なくとも1つを持つ症例で、3年間追跡した。

 患者スクリーニング後に導入期間として全例にARBオルメサルタン20mgを投与し、降圧目標(140/90mmHg未満)に到達しなかった症例を、高用量ARB群(オルメサルタン40mg)あるいはARB(オルメサルタン20mg)・Ca拮抗薬併用群に無作為に割り付けた。Ca拮抗薬はアムロジピンあるいはアゼルニジピンを使用し、さらに降圧目標に到達しない場合にはARB、ACE阻害薬、Ca拮抗薬以外の降圧薬を併用した。

 主要評価項目は、致死的および非致死的心血管イベント(心血管疾患、冠動脈疾患、心不全、他の動脈硬化性疾患、糖尿病細小血管障害、腎障害)と非心血管死の複合心血管イベント。また、副次評価項目として、各心血管イベントの発生率、血圧値の変化、主要評価項目以外の重篤な有害事象を評価した。

 1164例が評価対象となり、高用量ARB群が578例、ARB・Ca拮抗薬群が586例で、登録時の患者背景は、ともに平均年齢73.6歳、収縮期/拡張期血圧、心拍数、推算糸球体濾過量(eGFR)、心血管疾患や糖尿病の既往などに2群間で有意な差は見られなかった。

 試験期間中の血圧の推移を評価した結果、収縮期血圧、拡張期血圧ともに両群で低下していた。ただし、試験期間を通じて高用量ARB群に比べてARB・Ca拮抗薬群の方が有意に低く、その差は収縮期血圧で2.4mmHg、拡張期血圧で1.7mmHgだった。
 

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