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米国心臓病学会(ACC)2011
ダビガトランはCHA2DS2-VASc値にかかわらず有効
同値が5以上では110mg×2回/日も選択肢に、RE-LYサブ解析

2011/05/10
編集部

スウェーデン・Uppsala Clinical Research CenterのJonas Oldgren氏

 一昨年の欧州心臓病学会(ESC2009)で発表されたRE-LY試験によれば、直接的トロンビン阻害薬ダビガトランはワルファリンに比べ、150mg1日2回投与(以下、150mg×2回/日)で心房細動患者の脳卒中全身性塞栓症発症を有意に抑制、大出血の出現は同等だった。また110mg1日2回投与(以下、110mg×2回/日)では、脳卒中・全身性塞栓症の発症はワルファリンと同等(非劣性)で、大出血の出現は有意に減少した。

 同試験の結果をCHA2DS2-VAScスコアで層化したサブグループ解析から、ダビガトランの有効性および安全性は本スコアの値にかかわらず認められることが分かった。ただし、スコア5点以上の高リスクに対する150mg×2回/日投与については、大出血が増加していた。

 第60回米国心臓病学会ACC2011、4月2~5日、開催地:米国ニューオーリンズ)で、スウェーデン・Uppsala Clinical Research CenterのJonas Oldgren氏が報告した。

 CHA2DS2-VAScスコアは、心房細動(AF)患者の血栓塞栓症リスクの判定法として従来のCHADS2スコアに代わり、2010年に改訂されたESCの「AFガイドライン」で推奨された。CAHDS2スコアで低リスクとされる患者の、より細かなリスク層別化が狙いだ。CHA2DS2-VAScスコアが2点以上ならば抗凝固療法の適応となり、1点であれば患者リスクを考慮して抗凝固療法か抗血小板療法を選択する。

 Oldgren氏は今回、RE-LY試験の結果をCHA2DS2-VAScスコアで2以下、3点、4点、5点以上の4群に分け、有効性および安全性について改めて検討した。

 各群、症例数は約4000~5300例の間で、大きな差はなかった。またAFの病型分布も、ほぼ一定していた。

 一方、平均年齢と女性比率は、スコアが高値になるに伴い増加していた。心血管系の合併症(心不全、高血圧、糖尿病)や既往症(脳卒中・TIA、心筋梗塞)の合併率も同様に、高リスクになるほど増加していた。なお、ワルファリン群におけるtime in therapeutic range(TTR、PT-INRが目標範囲[本試験では2.0~3.0]に入っている時間)の中央値は65~69%だった。
 

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