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New Insight from Basic Research
新たなタイプの心不全薬シーズの登場
アクチン・ミオシン系がターゲットに

2011/03/24
古川 哲史=東京医科歯科大学

 心筋細胞の収縮の基盤となるアクチンとミオシンの相互作用は、種々の神経液性因子や細胞内シグナルによる調節を受ける。現行の心不全、特に収縮不全に対する治療薬である交感神経系β受容体遮断薬やレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系抑制薬は、これらの神経液性因子や細胞内シグナル(細胞内Ca2+を含む)をターゲットとしている。

 ところが、これらの治療にもかかわらず心不全入院患者の5年生存率は約50%と、心不全死の頻度が相変わらず高いことから、新たな治療薬としてアクチン・ミオシン系を直接のターゲットとした薬物に活路が求められている。

 3月18日にScience誌に発表された論文「Cardiac myosin activation: A potential therapeutic approach for systolic heart failure.」(Fady I. Nalik et al. Science. 2011;331:1439-43)で、ミオシンを活性化する低分子化合物 omecamtiv mecarbil が、新たな心不全薬のシーズとして紹介された。

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