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糖尿病学の進歩2011
CPR indexはインスリン導入の判断指標として有用
同値が0.8未満ならインスリン療法を考慮

2011/03/11
高橋 浩=メディカルライター

富山大の戸邉一之氏

 空腹時の血清Cペプチド値(CPR、ng/mL)と空腹時血糖値(FBG、mg/dL)の比(空腹時CPR/FBS×100)で表される「CPR index」(以下CPI)が、個々の2型糖尿病患者で最適な治療法を選択する際の指標として有用という。

 第45回糖尿病学の進歩(2月18~19日、開催地:福岡市)で富山大第1内科の戸邉一之氏は、「CPI>1.2の患者は食事療法や運動療法を適切に行えば経口薬でコントロール可能だが、CPI<0.8の患者にはインスリン療法が必須」と指摘した。

 2型糖尿病患者の経口薬治療実態に関する報告によると、日本糖尿病学会が血糖コントロールの目標として推奨するHbA1c 6.5%未満(JDS値、以下同)を達成している患者は40%に満たない。

 「不可(HbA1cで8.0%以上)」に相当する患者もかなり多いと見られ、このような患者ではインスリン療法の導入が検討されることになる。しかし、いつ導入すべきかの判断は必ずしも容易ではない。各患者の治療アドヒアランス、心理的負担、低血糖のリスクなどを考慮するとともに、病態からインスリン療法導入による血糖コントロール改善の有無を的確に予測する必要がある。

 治療法選択に際しては、一般に尿中CPR(U-CPR)、グルカゴン負荷時のΔCPRなどの指標が用いられている。しかし、U-CPRは蓄尿が必要である上、変動が大きい。また、グルカゴン負荷時ΔCPRは測定が煩雑という問題がある。

 CPRは、U-CPRとともにインスリン依存状態であるか否かを判断する際の指標と位置づけられているが、さらに近年、HOMA-βと並んで、インスリン分泌低下の指標としても注目されている。ただしCPRは、腎機能が低下している場合には見かけ上高値に出ることがあり、鵜呑みにできない。また症例によっては、グルカゴン負荷試験などによる判定を要する場合がある。
 

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