日経メディカルのロゴ画像

日本疫学会2011
LDL-C/HDL-C比とhsCRP、両高値だとMIリスク6倍
地域住民の中年男性を対象とした検討より

2011/02/08
高橋 浩=メディカルライター

岩手県予防医学協会の斗成陽子氏

 低比重リポ蛋白コレステロールと高比重リポ蛋白コレステロールの比(LDL-C/HDL-C比)と高感度CRPhsCRP)がともに高値である中年男性の心筋梗塞発症リスクは、これらが両方とも低値である中年男性の6倍以上高い――。

 この2つの指標を組み合わせることで、心筋梗塞ハイリスクグループを効率的にスクリーニングできる可能性のあることが明らかになった。第21回日本疫学会学術総会(1月21~22日、開催地:札幌市)で、岩手県予防医学協会の斗成陽子氏らが発表した。

動脈硬化性疾患の予防・治療においてはLDL-Cの管理が基本とされるが、LDL-Cが低くても急性心筋梗塞や急性冠症候群を起こす患者は少なくない。また、メタボリックシンドロームや糖尿病がある患者では、動脈硬化が進展していてもLDL-Cが高値を示さない場合がある。

 このため、もう1つの重要な管理指標HDL-Cとの比であるLDL-C/HDL-C比が、新たな動脈硬化進展の予知因子として期待されている。冠動脈疾患患者を対象とした大規模臨床研究からは、LDL-C/HDL-C比が2.0を超えるとプラークは進展傾向を、1.5以下であれば退縮傾向を示すことが報告されている。また、1次予防では2.0未満、2次予防および糖尿病患者や高血圧患者の1次予防では1.5未満が望ましいとの知見もある。

 一方、動脈硬化が血管の炎症として理解されるに伴い、CRPが大きく注目されるようになった。近年では、動脈硬化性疾患のリスクを評価する指標としても定着しつつある。健常人の基準値は0.4mg/L以下、3mg/Lを超える場合は心筋梗塞のリスクが高いとされる。

 LDL-C/HDL-C比とhsCRPという2つの指標を組み合わせれば、心筋梗塞などをより効率的にスクリーニングできる可能性がある。そこで斗成氏らは、岩手医大公衆衛生学などと共同で、LDL-C/HDL-C比とhsCRPを組み合わせて心筋梗塞のリスク評価を行った。

 対象は、岩手県北地域コホート研究の参加者2万6469人から、40~69歳の男性5418人を抽出、その中から心筋梗塞既往者27人、脳卒中既往者18人、hsCRPが10.0mg/Lを超える77人を除いた5296人(平均年齢59.2歳)とした。

 LDL-C/HDL-C比は、上位10パーセンタイル値である3.35以上を高値、3.35未満を低値とした。hsCRPは、上位10パーセンタイル値である2.20mg/L以上を高値、2.20mg/L未満を低値とした。
 

この記事を読んでいる人におすすめ