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日本冠疾患学会2010
Cypherステント市販後調査、5年成績まとまる
ステント血栓症の累積発生率は1.2%、オンラベル群では1例も発生せず

2011/01/19
軸丸 靖子=医療ライター

小倉記念病院の横井宏佳氏

 Cypherステントの、わが国における市販後調査(PMS)5年間のデータが明らかになった。留置1年以降、標的病変再血行再建術(TLR)やステント血栓症の増加はほとんど見られず、同ステントの長期間の有効性および安全性が示された。

 第24回日本冠疾患学会学術集会(2010年12月10~11日、東京都千代田区)の内科パネルディスカッション「DES Summit : First generation DES update, New generation DES and beyond」で、小倉記念病院の横井宏佳氏が発表した。なお、本発表は予定されていた演者欠席のため、演題ともに差し替えられた。わが国のPMS 5年成績の発表は本学会が初という。

 2004年にわが国で承認されたCypherは、市販後1~2年目に留置された患者約2000例を登録したPMSが行われている。今回発表されたのは、2004年9月~05年3月に登録された1011例を対象にした5年間の追跡データだ。

 登録患者の平均年齢は66.8歳で、糖尿病合併例が455例(45.1%)、透析合併例が52例(5.2%)存在した。対象病変1205部位中、type B2 /Cの複雑病変が8割を占め、病変長が平均18mm、対照血管径が同2.53mmと、細く長い病変に留置されていた。病変性状はde novoが74.6%と4分の3を占めたが、完全閉塞が10.6%、ステント内再狭窄も17.4%含まれた。

 5年間追跡できたのは955例で、追跡率は94.7%と高かった。5年間の総死亡率は13.1%、心臓死は4.3%、心筋梗塞の発症は2.8%、TLRは8.7%だった。主要心血管イベント(MACE)は21.7%、非心臓死を除いたMACEは13.8%で発生していた。definite/probableのステント血栓症発生は1.15%だった。「登録患者の年齢から考えて、5年間の総死亡率が13%という数字は、十分許容範囲と考えられる」と横井氏。

 これらのイベントをオンラベル病変症例(121例)とオフラベル病変症例(834例)で比較すると、主要な安全性の指標である総死亡や心臓死、心筋梗塞の発症などはほぼ同等だったが、有効性の指標であるTLRはオンラベル群の2.5%に比べオフラベル群で9.6%と、オフラベル群で有意に高くなっていた。非心臓死を除いたMACEの発生も、オンラベル群7.4%、オフラベル群14.7%と、オフラベル群で有意に高かった。
 

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