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日本冠疾患学会2010
感染対策見直しでCABG患者の胸骨創感染が減少
当日朝シャワー浴や結節埋没縫合を採用、消毒法も変更

2011/01/12
高橋 浩=メディカルライター

倉敷中央病院の渡辺隼氏

 冠動脈バイパス術(CABG)などの心臓外科手術の胸骨創感染、特に前縦隔炎はときに致死的となる。倉敷中央病院心臓血管外科では2009年4月にそれまでの感染対策を見直し、患者の術当日朝シャワー浴、皮膚の結節埋没縫合、ユニホーム毎日交換を導入し、消毒法を変更した。

 以降、胸骨創感染の減少傾向が見られ、前縦隔炎の発症も認められなくなったという。第24回日本冠疾患学会学術集会(2010年12月10~11日、開催地:東京)で、同科の渡辺隼氏らが報告した。

 前縦隔炎は開心術患者の1~4%に認められるとされ、50%近い死亡率を報告している研究もある。入院期間の長期化も避けられないだけに、心臓血管外科手術で大きな問題となる術後合併症の1つだ。

 倉敷中央病院では2009年4月、心臓手術患者の感染対策を見直した。まず、自力入浴可能な患者に、手術前日だけでなく、術当日の朝(出棟2時間前頃)にもシャワー浴を行ってもらうようにした。当日朝のシャワー浴ではグルコン酸クロルヘキシジン液(4%)を使用し、シャワー浴終了後の着衣やモニター電極などはすべて新しいものに交換することにした。

 第2に、術前に行う消毒法を、ポピドンヨードによる3回消毒から、クロルヘキシジンエタノールによる2回消毒およびポピドンヨードによる1回消毒に変更した。

 第3に、胸部正中創の縫合法を変更した。従来はほぼ全例で連続埋没縫合を行っていたが、基本的に結節埋没縫合を採用することにした。

 第4に、毎日のユニホームチェンジを義務づけた。2色(白と黒)のユニホームを作り、病棟業務にかかわるレジデントに着用してもらう。月・水・金曜日は黒色、火・木曜日は白色と曜日で色分けしたため、1日ごとの交換を怠るとすぐに分かる。ユニホーム(すべて半袖)のデザインは、上下ともポケットを多数配置し、手ぶらで仕事ができるようにした。また、病棟業務にかかわるレジデントに対して、ロングコート白衣、時計などの着用を禁止した。
 

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