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肺塞栓症研究会2010
肺塞栓か急性心筋梗塞か?心電図所見の違いは
左室疾患か右室疾患かの判読がカギに

2010/12/24
高志 昌宏

さわやまクリニックの沢山俊民氏

 「心電図検査急性心筋梗塞と診断した患者が急死し、剖検により死因は肺塞栓だったことが判明した。その後医療訴訟に持ち込まれたが、診断時の心電図で肺塞栓との診断がはたして可能だったのか」――。早くから肺塞栓に注目し、川崎医大循環器内科教授として1993年には多施設225症例に基づいた解析結果をまとめている沢山俊民氏(現・さわやまクリニック院長)の元に、最近相次いでこのような相談が2件、持ち込まれた。

 そこで同氏は急性心筋梗塞と肺塞栓における心電図上の所見の違いを自験例から分析、その結果を第17回肺塞栓症研究会・学術集会(11月27日、開催地:東京都江東区)のシンポジウム「肺塞栓症と医療訴訟」で報告した。

 今回検討対象とした症例は、肺塞栓30例(28~89歳、平均64.6歳)と、左前下行枝近位部を責任病変とする心臓前壁の急性心筋梗塞30例(43~86歳、平均66.7歳)。いずれも沢山氏が川崎医大病院で経験した症例だ。

 どちらの疾患にも共通した所見の1つが陰性T波の出現であり、それだけでは心電図上で鑑別することは難しい。そこで、まず肢誘導について各誘導を順番に並べ、陰性T波出現率を比較した(図1)。

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