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米国心臓協会(AHA)2010
経カテーテル的腎除神経による降圧、RCTで確認
除神経前の178/97から33/11mmHg降圧、Symplicity HTN-2試験

2010/12/01
編集部

Baker IDI Heart and Diabetes InstituteのMurray Esler氏

 治療抵抗性高血圧に対し、血管内カテーテル操作により腎交感神経の除神経を行って降圧を得ようという「経カテーテル的腎除神経術」が注目されている。第83回米国心臓協会・学術集会(AHA2010、11月13~17日、開催地:シカゴ)では、Late Breaking Clinical Trialsで腎除神経術についてのランダム化比較試験(RCT)Symplicity HTN-2の結果が発表された。

 パイロット試験であるSymplicity HTN-1で観察された、同手技の降圧作用と安全性が規模を大きくしたRCTで確認されるか――。聴衆の関心は高かったが、Symplicity HTN-2試験でも安全性に問題なく、6カ月間で33/11mmHg(収縮期/拡張期)の降圧が得られた。Baker IDI Heart and Diabetes Institute(オーストラリア)のMurray Esler氏が発表した。

 Symplicity HTN-2試験の対象は、18歳以上85際未満の治療抵抗性高血圧、具体的には3剤以上の降圧薬の投与にもかかわらず診療所収縮期血圧(SBP)が160mmHg以上(2型糖尿病例では150mmHg以上)だった症例。

 主な除外基準は、腎動脈径4mm以下、腎動脈長20mm以下、血行動態的または形態学的な腎異常所見、1型糖尿病、6カ月以内の脳心血管系イベント既往など。登録された190例中106例が、腎除神経群(52例)または対照群(54例)にランダムに割り付けられた。

 登録時の平均SBPは178mmHg。平均年齢は58歳、推算糸球体濾過量(eGFR)は除神経群が77mL/分/1.73m2、対照群が86mL/分/1.73m2と、両群とも良好だった。

 降圧薬服用数は除神経群5.2剤、対照群5.3剤(有意差なし)。服用薬の内訳は、レニン・アンジオテンシン系抑制薬95%、利尿薬90%、Ca拮抗薬81%。β遮断薬75%などだった。

 1次評価項目である6カ月後の診療所血圧のベースラインからの変化は、除神経群-32/-12mmHg、対照群+1/0mmHgであり、群間差は33/11mmHgと、除神経群で有意(P<0.0001)に低下した。

 また、診療所SBPが140mmHg未満へ低下した患者の割合は、除神経群では39%だったが、対照群は6%にとどまった。160mmHg未満への降圧達成率で比較しても、除神経群82%、対照群24%で、除神経群で大幅に高率だった。
 

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