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日本高血圧学会2010
直接的レニン阻害薬アリスキレン、その実力は
既存のRA系抑制薬との併用による効果増強にも期待

2010/11/29
宇田川 久美子=メディカルライター

日大の久代登志男氏

 アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)以来10余年ぶりの新規機序の降圧薬である、直接的レニン阻害薬DRI)のアリスキレン(商品名ラジレス)。上市から1年が経過して今年10月からは長期処方も可能となり、実臨床にも浸透しつつある。

 第33回日本高血圧学会総会(10月15~17日、開催地:福岡市)の高血圧Up-to-Date「レニン阻害薬の位置づけは」において、4人の演者が現段階におけるDRIのエビデンスを整理。DRIとほかのレニン・アンジオテンシン(RA)系抑制薬との違い、降圧薬の中での位置づけ、総合的な臓器保護薬としての可能性などについて講演した。

 日大総合健診センターの久代登志男氏はまず、アリスキレンの作用機序と治験データを総括し、降圧薬の中での同薬の位置づけをまとめた。

 アリスキレンは半減期が長く、1日1回投与で24時間以上効果が持続し、排泄と吸収のバランスがとれた後は、1日程度の飲み忘れは薬効にほとんど影響を与えない。日本人は比較的レニン活性が低いため、アリスキレンによる効果はあまり高くないのではないかとの懸念もあったが、キーオープンしてみると海外データと遜色ない降圧効果が認められ、海外と同じ用量での承認となった。

 利尿薬やCa拮抗薬との併用では、相乗的に降圧効果が高まることが確認されているほか、ARBとの併用でもある程度効果の増強が得られる。

 欧米のガイドラインでも、「高血圧治療にアリスキレンを用いることは妥当であり、特にほかの降圧薬との併用が有用」というスタンスという。今後のエビデンス次第では、第1選択薬に位置づけられる可能性も十分にあり、「その動向に期待している」と久代氏は述べた。
 

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