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日本高血圧学会2010
スピロノラクトンは慢性心不全患者の予後を改善
日本の前向きコホート研究JCARE-CARDの解析結果(2010.11.17追加)

2010/11/15
高橋 浩=メディカルライター

北大大学院の濱口早苗氏

 心不全のガイドラインでは洋の東西を問わず、症状を有する心機能低下例に対してアルドステロン拮抗薬の投与を推奨している。

 わが国の前向きコホート研究JCARE-CARD(Japanese Cardiac Registry in CHF-Cardiology)の解析から、アルドステロン拮抗薬のスピロノラクトンは軽症例も含め、慢性心不全患者の予後を改善することが明らかになった。

 第33回日本高血圧学会総会(10月15~17日、開催地:福岡市)で、北大大学院循環病態内科学の濱口早苗氏らが発表した。

 スピロノラクトンによる慢性心不全患者の予後改善効果は、1999年に発表されたRALES(Randomized Aldactone Evaluation Study)試験で確認された。同試験は、NYHA分類III~IV度、左室駆出率(LVEF)35%以下で、標準的治療を受けている重症慢性心不全患者を対象とした大規模ランダム化比較試験(RCT)。スピロノラクトンを投与した群では非投与群に比べ、平均24カ月後の死亡リスクが30%、有意に低下した。

 現在、米国心臓学会/米国心臓協会(ACC/AHA)、欧州高血圧学会/欧州心臓学会(ESH/ESC)、日本循環器学会それぞれの心不全ガイドラインで、ACE阻害薬・アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)・利尿薬を使用しているにもかかわらず有症状でLVEFが低下した慢性心不全患者に対して、アルドステロン拮抗薬の投与が推奨されている。

 濱口氏らは今回、慢性心不全の増悪で入院したすべての患者を対象とした前向きコホート研究であるJCARE-CARDのデータを用いて、スピロノラクトンの予後改善効果を検討した。
 

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