日経メディカルのロゴ画像

日本骨粗鬆症学会2010
脳卒中既往は大腿骨近位部骨折のリスクを高める
日本人コホートでは糖尿病と骨折との関連は有意にならず

2010/11/15
高橋 浩=メディカルライター

放射線影響研究所の藤原佐枝子氏

 生活習慣病と骨折の関係について、わが国のコホート研究で解析すると、脳卒中既往大腿骨近位部骨折非椎体骨折と有意に関連し、それぞれの骨折リスクを約3倍高めることが分かった。放射線影響研究所臨床研究部の藤原佐枝子氏が、第12回日本骨粗鬆症学会(10月21~23日、開催地:大阪市)のシンポジウム「生活習慣病と骨粗鬆症」で報告した。

 海外のメタアナリシスでは、2型糖尿病や脳卒中発症早期で骨折リスクが高くなることが明らかになっている。だが今回の検討では、糖尿病については有意な関連とならなかった。

 藤原氏は本シンポジウムで、生活習慣病と骨折との関連を検討したこれまでの報告をレビューするとともに、同氏らが行っている広島コホートでの解析結果を発表した。

 骨折または骨粗鬆症との関連について最も多くの研究が行われてきた生活習慣病は、糖尿病だ。糖尿病の慢性合併症として、骨量減少が見られることは古くから知られている。また、糖尿病コントロール不良の状態が長く続くと、骨粗鬆症が高率に発症することが報告されたのは、今から60年以上も前のことだ。

 1型糖尿病と大腿骨近位部骨折の関連を検討し1999~06年に発表された海外の6つの研究を統合したメタ解析では、1型糖尿病があると骨折リスクが6.3倍、有意に高まるという結果になった。

 また2型糖尿病と大腿骨近位部骨折の関連についても、海外で80~06年に発表された12研究のメタ解析では、骨折リスクが1.7倍、有意に高まることが明らかになっている。ただ、大腿骨近位部以外の橈骨遠位、上腕骨近位、踵骨および椎体の骨折リスクは1.2倍の上昇にとどまった。

 なお、わが国で最近行われた約1000人を対象とした症例対照研究では、2型糖尿病により椎体骨折リスクが男性で約5倍、女性で約2倍、いずれも有意に上昇していた。
 

この記事を読んでいる人におすすめ