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日本高血圧学会2010
DM合併高血圧、治療抵抗性規定する因子は腎機能
ベースラインの血糖コントロール状況は有意に関連せず

2010/11/12
宇田川 久美子=メディカルライター

名古屋市立大大学院の山下純世氏

 糖尿病を合併した高血圧患者の予後改善には、通常よりさらに厳格な降圧療法が求められる。しかし、糖尿病合併高血圧患者はしばしば治療抵抗性を呈し、降圧目標値の達成率は理想を大きく下回る。

 この現状を打開するためには、治療抵抗性の原因を同定することが第1だ。そこで名古屋市立大大学院心臓・腎高血圧内科学の山下純世氏らは、糖尿病合併高血圧患者が降圧目標値に到達するために要した降圧薬の薬剤数という指標で治療抵抗性を評価。

 血糖のコントロール状態は治療抵抗性を規定する有意な因子とはならず、腎機能が有意に関連したと、第33回日本高血圧学会総会(10月15~17日、開催地:福岡市)で報告した。

 検討対象は、2型糖尿病の外来加療中に、新たに本態性高血圧と診断された患者108例(うち男性46例、平均年齢66.7歳)。ベースライン時の患者背景は、外来血圧168.2/91.5mmHg(収縮期/拡張期)、早朝家庭血圧154.1/85.6mHg、HbA1c 6.5%、空腹時血糖119.8mg/dL、推算糸球体濾過量(eGFR)65.5mL/min/1.73m2、尿中アルブミン16.9mg/gCrなどだった。

 これらの患者に対し、山下氏らは、早朝家庭血圧で収縮期130mmHg未満かつ拡張期80mmHg未満を目標に、常用量のアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)で治療を開始した(ステップ1)。なお使用するARBは、オルメサルタン、テルミサルタン、カンデサルタン、バルサルタンのいずれかとした。

 8週間後に目標未達成だった場合はCa拮抗薬(長時間作用型ニフェジピン、アムロジピン、ベニジピン)を追加(ステップ2)、それでも目標未達成だった場合はCa拮抗薬を倍量に増量(ステップ3)した。

 以降、さらにARBを倍量に増量(ステップ4)、利尿薬(トリクロロチアジド、インダパミド)を追加(ステップ5)、β遮断薬(ビソプロロール、アテノロール)を追加(ステップ6)、α遮断薬(ドキサゾシン)を追加(ステップ7)、α遮断薬を倍量に増量(ステップ8)というプロトコールで、8週ごとに評価して降圧目標未達成の場合は段階的に治療を強化した。
 

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