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日本心臓病学会2010
増加する成人先天性心疾患カテ治療、どの科が担う?
手技に慣れた小児循環器科か、合併症管理に慣れた循環器科か

2010/11/01
高志 昌宏

国立循環器病研究センターの矢崎諭氏

 成人先天性心疾患の治療はどの診療科が担えばよいのか――。特に心房中隔欠損動脈管開存症といった短絡疾患については低侵襲のカテーテル治療が普及しはじめ、手術をあきらめていた高齢者も積極治療が可能になった。

 そのためここ数年、成人先天性心疾患のカテーテル治療件数が急増している。だが高齢患者では動脈硬化性疾患や糖尿病を合併するなど、今まで同治療の中心となっていた小児循環器医では手に余ることも事実だ。

 第58回日本心臓病学会学術集会(9月17~19日、東京都千代田区)で開催された日本小児循環器学会とのジョイントシンポジウム「成人期におけるStructual Heart DiseaseのIntervention」では、成人先天性心疾患の治療システムをどう構築していけばよいかが議論となった。

 国立循環器病研究センター小児循環器部の矢崎諭氏は、同部で施行した先天性心疾患のカテーテル治療における成人症例の動向をまとめ報告した。

 1997年から2009年までに同部が行った先天性心疾患に対するカテーテル治療1963件中、20歳以上の患者は19%(371件)だった。だが年次推移を見ると、成人患者比率は05年の21%から09年には32%と増加していた。しかも、「小児科医にとってあまりなじみがない」(矢崎氏)40歳以上の患者比率は、05年の4%から09年では14%と急増していた。

 成人患者に対するカテーテル治療の疾患別内訳を見ると、心房中隔欠損が58.5%と約6割を占めた。次いでフォンタン術後の側副血行などに対する塞栓術が9.8%、動脈管開存症が8.7%などだった。

 このような成人患者の増加は、心房中隔欠損ではカテーテルによる閉鎖デバイスAmplatzer Septal Occluderが05年にわが国で承認されたことが背景にある。同デバイスの販売元がまとめている統計によれば、施行患者の43%が20歳以上の患者だ。矢崎氏らの国立循環器病研究センターでは51%とさらに多くなり、40歳以上も24%と4分の1に上った。
 

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