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日本心臓病学会2010
アゼルニジピンによる左室拡張能改善効果
RAS抑制薬併用例でも確認

2010/10/12
高橋 浩=メディカルライター

桜橋渡辺病院の伊達基郎氏

 Ca拮抗薬アゼルニジピンは、高血圧患者の左室拡張能を改善することが報告されている。この効果は、レニン・アンジオテンシン系(RAS)抑制薬を併用している症例でも認められることが、CALVLOC試験のサブ解析で確認された。第58回日本心臓病学会学術集会(9月17~19日、開催地:東京都千代田区)で、桜橋渡辺病院心臓・血管センター内科の伊達基郎氏らが報告した。

 高血圧患者に対するアゼルニジピンの左室拡張能改善効果は、桜橋渡辺病院、岡山大、関西電力病院などが参加した多施設共同前向き臨床試験「CALVLOC(Clinical impact of Azelnidipine on Left Ventricular diastolic function and OutComes in patients with hypertention)」で認められた。同薬を高血圧患者に6カ月間投与したところ、僧帽弁後退速度(e')が有意に上昇し、重要な予後予測指標とされる左室流入血流速度(E)とe'の比(E/e')が有意に低下する成績が得られた。

 一方、高血圧の治療では、多くの患者が併用療法を受けている。RAS抑制薬とCa拮抗薬の併用は、RAS抑制薬と利尿薬との併用よりも有用であるとされ、わが国でも広く普及している。そこで伊達氏らは、CALVLOC試験のサブ解析として、RAS抑制薬とアゼルニジピンを併用した高血圧患者における左室拡張能の変化を検討した。

 CALVLOC試験の登録症例は、年齢20~80歳で、e'≦8cm/sの拡張能低下を有するステージ1~2の本態性高血圧患者。左室駆出率(EF)が50%未満の低左心機能症例、心房細動合併例、および登録時にアムロジピン以外のCa拮抗薬を使用している症例は除外した。

 Ca拮抗薬を使用していなかった症例には新たにアゼルニジピンを、アムロジピンを使用していた症例はアゼルニジピンに変更し、1日16mgで6カ月間投与した。登録前に使用していたCa拮抗薬以外の降圧薬は、そのまま変更せずに継続することとした。

 2006年1月~2007年10月に253例が登録され、追跡不能もしくはプロトコール逸脱により脱落した21例を除く232例がフォローアップされた。平均フォローアップ期間は8カ月。期間中に、死亡、心筋梗塞、明らかな心不全、重篤な副作用の出現は認められなかった。
 

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