
オランダ・ワーゲニンゲン大学のDaan Kromhout氏
ω脂肪酸による心筋梗塞既往例の心血管イベント抑制作用は、既にGISSI Preveinzione試験において報告されている。欧州心臓病学会(ESC2010、8月28~9月1日、開催地:スウェーデン・ストックホルム)では、GISSI Preveinzione試験のようにサプリメントという形でなく、ω脂肪酸含有マーガリンという形で摂取させて、エイコサペンタエン酸[EPA]+ドコサヘキサエン酸[DHA]およびαリノレン酸[ALA]の効果を見たAlpha Omega試験の結果が発表された。
残念ながら同試験では、ω脂肪酸の効果は認められなかった。ESC2010のHOTLINEセッションで、Daan Kromhout氏(ワーゲニンゲン大学、オランダ)が報告した。
Alpha Omega試験では、過去10年間に心筋梗塞既往のある4837例を以下のように4群にランダムに割り付け、二重盲検法で40カ月間追跡した。
(1)EPA+DHA+ALA含有マーガリン使用群(1212例)
(2)EPA+DHA含有マーガリン使用群(1192例)
(3)ALA含有マーガリン使用群(1197例)
(4)上記脂肪酸を含まないマーガリン使用群(1236例)
なお、EPAとDHAは合わせて400mg/日、ALAは2g/日を摂取できるように調整された。
1次評価項目である主要心血管イベント(致死的・非致死的心血管疾患、経皮的冠動脈インターベンション[PCI]または冠動脈バイパス術[CABG]の施行)は、EPA+DHA摂取もしくはALA摂取のどちらも、有意な減少を認めなかった。