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日本心血管インターベンション治療学会(CVIT2010)
新規透析患者は無症状でも過半数でCADを合併
4分の1は重度、積極的なスクリーニングが必要に

2010/09/22
軸丸 靖子=医療ライター

りんくう総合医療センターの武田吉弘氏

 冠動脈疾患(CAD)が合併した透析患者では予後が不良なことが知られるが、CADの診断を得ずに透析導入が行われている患者も多い。りんくう総合医療センターの武田吉弘氏は、無症状の新規透析患者におけるCAD合併率を自院症例で検討。

 対象症例の56.8%に閉塞性病変があり、左冠動脈主幹部(LMT)病変など高リスク症例も4分の1以上存在することを、第19回日本心血管インターベンション治療学会CVIT2010、8月22~24日、開催地:仙台市)のシンポジウム「透析患者におけるインターベンション治療の問題点」で報告した。

 武田氏が今回検討対象とした症例は、2004年10月~07年12月に透析管理のため自院に紹介されてきた患者105例中、血管造影でCADと診断されている、または経皮的冠動脈インターベンション(PCI)や冠動脈バイパス術(CABG)の既往がある患者を除外した、無症状の88例。透析導入1カ月以内に冠動脈造影を行い、CADの有病率を調べた。

 CADは50%以上の狭窄と定義した。CADの重症度は、病変数や部位を加味して評価するCAD prognostic indexを用いてスコアリングした。そのほか心エコー頸動脈内膜中膜肥厚度(IMT)、足関節上腕血圧比(ABI)の評価も行った。

 対象症例の平均年齢は66歳、男性46例。合併症は糖尿病60%、高血圧81%、高脂血症23%などで、喫煙率は36%だった。生化学検査では、若干の貧血症状が認められたほか、心筋トロポニンTが0.083ng/mLと高めだったが、それ以外に特に目立った事項はなかった。

 心血管疾患のイベントリスク上昇を示唆するABI低値(0.9未満)は16例(18.2%)に、IMTの1.0mm以上の肥厚は63例(71.6%)に認められた。その一方、左室心筋重量(LVMI)や左室駆出率(EF)の低下は、観察されなかった。
 

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