日経メディカルのロゴ画像

日本人間ドック学会2010
脳心血管疾患既往者の3割に聴力低下
50~60歳代で健常人より明らかに高頻度

2010/09/20
高橋 浩=メディカルライター

三越厚生事業団三越総合健診センターの毛利恭子氏

 虚血性心疾患脳卒中の患者では聴力低下が33%に認められ、健常人に比べて高頻度であることが、三越厚生事業団三越総合健診センターの研究で明らかとなった。同センターの毛利恭子氏が、第51回日本人間ドック学会学術大会(8月26~27日、開催地:旭川市)で報告した。

 生活習慣病と聴力低下の関係は以前から糖尿病で指摘されていたが、聴力低下にはさまざまな要因が関与するため、両者の関連については必ずしもコンセンサスは得られていなかった。

 しかし最近、国立長寿医療研究センター研究所が地域住民約2300人を対象に行った研究から、種々の交絡因子で調整した後でも、糖尿病群は非糖尿病群に比べて聴力低下者の比率が有意に高いことが判明した。

 毛利氏らも健診受診者のデータを用いて、生活習慣病と聴力低下の関係を検討してきた。2009年の同学会学術大会では、聴力低下のある人はない人に比べ、30歳代女性で血糖が有意に高く、30歳代男性で総コレステロール(TC)、中性脂肪(TG)、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)が有意に高いことを報告している。

 今回同氏は、脳心血管疾患との関係を検討した。09年に三越総合健診センターで聴力検査を含む生活習慣病健診を受けた20~88歳の1万2154人の中から、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞または脳出血で現在治療を受けている5749人(虚血性疾患群)と、上記4疾患や糖尿病、高血圧、不整脈、さらにTG 150mg/dL以上、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)40mg/dL未満のいずれにも該当しない166人(健常群)を抽出し、聴力低下の有無を比較検討した。

 平均年齢は健常群44.6歳、虚血性疾患群60.6歳(全例40歳代以降)。健診であるため、聴力の検査は1000Hzと4000Hzの2周波数のみで行った。聴力低下者の割合は、健常群6%、虚血性疾患群33%と、虚血性疾患群で明らかに高率だった。
 

この記事を読んでいる人におすすめ