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循環器プレミアム速報
「植込型補助人工心臓の1日も早い承認を」
胸部外科学会、循環器学会など関係10学会・団体が厚労相へ要望書

2010/09/09
高志 昌宏

厚労省担当者(左側)に要望書を手渡す、松田暉氏(右2人目)と許俊鋭氏(右端)。机上の書類束が7万人あまりの署名

 補助人工心臓治療関連学会協議会(代表:許俊鋭・東大大学院特任教授)は8日、植込型補助人工心臓の早期承認および在宅安全治療体制の構築を求める要望書を、6万9138人の署名とともに長妻昭厚労相に提出した。

 厚労省からは大臣の代理として、医薬食品局医療機器審査管理室室長補佐の高江慎一氏および医政局医療機器政策室室長の池田千絵子氏らが対応、署名と要望書を受け取った。要望書の提出と記者会見には、患者家族も加わった。

 要望の具体的内容は、以下の2点:
(1)現在製造販売承認申請中のEVAHEARTDuraHeartJarvik2000などの植込型補助人工心臓を速やかに製造販売承認してください

(2)植込型補助人工心臓による在宅医療が安心して受けられるように適切な保険償還を含む在宅安全治療体制を構築してください

 EVAHEARTは、東京女子医大心臓血管外科主任教授の山崎健二氏が開発した、遠心ポンプを用いた非拍動型の植込型補助人工心臓。昨年1月にサンメディカル技術研究所から承認申請された。またDuraHeartもテルモ社が開発した非拍動型の植込型補助人工心臓で、磁気浮上型の遠心ポンプを用いている。昨年9月に承認申請された。

 現在、わが国で承認されている補助人工心臓は、体外設置型の東洋紡VASと、植込型のHeartMateXVE(米Thoratec社製、申請はニプロ)の2種類。ただしHeartMateXVEはランニングコストなどに関する評価が折り合わず、保険償還価格が決まっていない。そのため事実上、国内で使用できる植込型補助人工心臓がない状況が続いている。

 日本心臓血管外科学会理事長の高本真一氏は「日本の植込型補助人工心臓の技術は、世界でトップレベルにある。だが、その恩恵を国民が受けることができないという不幸な状況にある。東洋紡VASは体外設置型なので入院管理が必要だが、植込型が使用可能になれば患者さんは退院して日常生活に戻ることが可能になり、QOLの改善は計り知れない。1日でも早く使えるよう、関係当局にお願いしたい」と語る。
 

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