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日本冠動脈外科学会2010
CABGの死亡率が約10年ぶりに上昇、09年調査結果
オンポンプ移行例での死亡率上昇が影響か

2010/08/26
高橋 浩=メディカルライター

日本冠動脈外科学会理事長の瀨在幸安氏

 日本冠動脈外科学会が毎年行っている全国アンケート調査から、2009年にわが国で行われた冠動脈バイパス術CABG)の死亡率が、ほぼ10年ぶりに前年より上昇したことが分かった。第15回日本冠動脈外科学会学術大会(7月29~30日、開催地:大阪市)で、同学会理事長の瀬在幸安氏が発表した。

 単独CABG全体の死亡率は1997年以降、ほぼ右肩下がりで低下し、08年には1.5%を下回ったが、09年は上昇、2%をわずかながら超えた。特に、オフポンプ手術からオンポンプ手術に移行した症例における死亡率が大きく上昇しており、その影響を受けた可能性が高い。

 約2%という死亡率は、海外に比べれば良好だが、クオリティーの高さを誇るわが国の成績としては悔やまれる。オンポンプ移行例への対策が重要な課題となりそうだ。

 全国アンケート調査の報告は、1996年の第1回大会から毎年行われており、今回が15回目。全国419施設にアンケートを依頼し、295施設(70%)より回答が寄せられた。これらの施設で09年に実施されたCABG、計1万4262例が解析対象となった。

 報告によると、まず、単独・合併手術の割合が08年の単独手術79%、合併手術21%から、09年にはそれぞれ75%、25%となり、合併手術の比率が増加した。単独の初回待期手術におけるオフポンプの割合は66%で、65%だった08年と同様に高かった。

 オフポンプ手術全体の98%は完遂されたが、残る2%はオンポンプ手術に移行した。オンポンプ移行例の割合は、08年に比べわずかに上昇していた。

 死亡率を見ると、単独CABG全体で2.12%、初回待期手術で1.20%だった。いずれも08年の1.46%、0.81%に比べて、上昇していた。単独CABG全体の死亡率が前年に比べて上昇したのは、00年以降では03年の1回だけで、上昇幅も小さかった。しかし、今回は0.66ポイント上昇しており、ほぼ6年前(03年)のレベルに戻ってしまった。

 また、初回待期手術の死亡率は05年以降1%を下回っていたが、今回は再び1%を超え、やはり03年のレベルに戻ってしまった。
 

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