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日本動脈硬化学会2010
ステント血栓症例への抗血小板薬3剤併用療法
血小板凝集能の抑制を確認、再発も見られず

2010/08/10
高橋 浩=メディカルライター

三重大大学院の仲田智之氏

 冠動脈インターベンション(PCI)後の抗血小板療法として現在、アスピリンとクロピドグレルの2剤併用療法が一般的になっている。だが最近、クロピドグレルによる抗血小板作用が十分得られない、クロピドグレル抵抗性の問題が指摘されてきた。

 三重大大学院循環器・腎臓内科学の仲田智之氏らは、クロピドグレル抵抗性によりステント血栓症(ST)を起こしたと考えられた2例に対して、さらにシロスタゾールを加えた抗血小板薬3剤併用療法を試みた。

 その結果、血小板凝集能の抑制が確認され、ST再発も阻止できていることを、第42回日本動脈硬化学会総会・学術集会(7月15~16日、開催地:岐阜市)で発表した。

 STは一旦発生すれば死亡率も高いことから、その予防がきわめて重要となる。ベアメタルステント(BMS)が使用されはじめた1990年代初頭には20%近くで認められたが、ステント留置後のバルーンによる高圧拡張や、チクロピジンまたはクロピドグレルとアスピリンによる抗血小板薬併用療法が行われるようになってから、1%以下へと大幅に減少した。

 抗血小板薬としては当初、主にチクロピジンが用いられていた。だが無顆粒球症や血小板減少症などの副作用が多く効果発現まで3日ほどかかることから、今では重大な副作用が少なく効果発現も早いクロピドグレルが使われるようになった。

 現在、アスピリン(維持量75~100mg/日)に加えて、クロピドグレル(同75mg)をBMS留置例には少なくとも1カ月、薬剤溶出ステント(DES)留置例には1年間以上、併用投与することが推奨されている。
 

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