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日本動脈硬化学会2010
LDL-C、直接測定法では過大評価の可能性
フリードワルドの式よりも平均値で10mg/dL以上高い値に

2010/08/03
高橋 浩=メディカルライター

日高医療センターの岡本茂之氏

 低比重リポ蛋白コレステロールLDL-C)値を直接測定法で得た場合、フリードワルドの式で算出した場合よりも10mg/dL以上高く出ることから、直接測定法では脂質異常症を過大評価する患者が増えてしまう――。

 公立豊岡病院組合立日高医療センター(兵庫県豊岡市)検査科の岡本茂之氏、内科の田中慎一郎氏らのグループが、第42回日本動脈硬化学会総会・学術集会(7月15~16日、開催地:岐阜市)で、こう警鐘を鳴らした。

 日本動脈硬化学会は、2007年の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」改訂にあたり、脂質異常症の診断項目として、総コレステロール(TC)を外し、LDL-C、中性脂肪(TG)、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)の3つに限定した。また、LDL-C測定法としてフリードワルドの式[(TC)-(HDL-C)-(TG/5)]で算出する方法を推奨した。

 ただし、フリードワルドの式による算出は空腹時の測定が前提で、食後の測定値を用いることはできない。このため、特定健診では、食後の検査値も使用可能とされる直接測定法が採用され、急速に普及した。

 これに対して日本動脈硬化学会は4月、直接測定法は精度が不十分であり、一般診療の場ではフリードワルドの式で算出した値の使用を基本とするという内容の声明を発表した(関連記事1)。今学会でもガイドラインに関するシンポジウムの中で、学会副理事長の寺本民生氏(帝京大教授)がこの問題を解説している(関連記事2)。

 岡本氏らは今回、日高医療センター外来受診中の508例(男性212例、女性296例、平均年齢67.5歳)を対象に、直接測定法およびフリードワルドの式算出法により空腹時のLDL-C値を求め、両者を比較した。

 まず、両測定法で得られた値の相関を調べたところ、相関係数R2=0.935と高い相関関係(P<0.0001)を示した。
 

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