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欧州高血圧学会2010
血管内皮機能の保護作用持つ薬剤に注目集まる
eNOS活性薬のAUY954とACE2-Ang(1-7)-Mas系活性薬のXNT

2010/07/21
編集部

Charite-Universitatsmedizin BerlinのMarkus van der Giet氏

 第20回欧州高血圧学会(6月18~21日、開催地:オスロ)では、血管内皮機能の保護作用を期待できる新薬に注目が集まった。1つは内皮型一酸化窒素合成酵素eNOS)の活性薬、もう1つはACE2-Ang(1-7)-Mas系の活性薬だ。いずれも学会初日の口演セッション「Endothelium」で発表された。

 eNOSの活性化が確認されたのは、多発性硬化症などに対する治療薬として開発が進んでいる、スフィンゴシン1リン酸1型(S1P1)受容体アゴニストのAUY954。Charite-Universitatsmedizin BerlinのMarkus van der Giet氏が報告した。

 リン脂質であるスフィンゴシン1リン酸は、高比重リポ蛋白(HDL)の構成因子でもある。S1P1受容体を介し、eNOSを活性化するだけでなく、抗炎症作用や抗アポトーシス作用を示す。今回、van der Giet氏らは、S1P1受容体に対する高い選択性を持つAUY954が、スフィンゴシン1リン酸同様にeNOS活性を増加させるか、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を用いて検討した。

 その結果、AUY954添加によりNO産生は用量依存的に増加し、この作用はeNOS阻害薬(L-NAME)やS1P1受容体阻害薬により消失した。さらに同氏らは、AUY954による血管拡張作用も確認しており、降圧薬としての可能性も検討中という。
 

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