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欧州高血圧学会2010
カンデサルタン対アムロジピン、延長戦も引き分ける
CASE-J試験をさらに3年間追跡したExtension試験の結果まとまる

2010/07/07
編集部

京大の上嶋健治氏

 第20回欧州高血圧学会(6月18~21日、開催地:オスロ)2日目のHOTLINEセッションにおいて、CASE-J試験を3年間延長追跡したCASE-J ExtensionCASE-J Ex)試験の結果を、京大EBM研究センター教授の上嶋健治氏が報告した。平均4.5年間追跡しても、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)カンデサルタン群とCa拮抗薬アムロジピン群のイベント発生率に、有意差は生じなかった。

 CASE-J試験はわが国の高リスク高血圧患者を対象に、カンデサルタンとアムロジピンの脳・心・腎・血管イベント抑制作用をPROBE(Prospective Randomized Open Blinded-Endpoints)法で比較した試験。2007年に終了し、両薬剤のイベント抑制作用に有意差はないことが報告された。

 しかし、追跡開始1~2年間のイベント発生率はカンデサルタン群の方が高い傾向にあったが、その後両群間の差が縮小し追跡終了時点ではほぼ同等だったこと、さらに2型糖尿病の新規発症はカンデサルタン群で有意に減少していたため、より長期に観察すればイベント発生率に差が出てくる可能性があるとして、3年間の延長が決まった。

 本検討の対象患者は、オリジナルのCASE-J試験に参加した4703例中、改めて同意が得られた2232例(46.6%)。内訳はカンデサルタン群1140例、アムロジピン群1092例だった。

 これら2232例の背景因子をCASE-J試験開始時にさかのぼって比較したところ、両群間に著明な差はなかった。平均年齢は約64歳、血圧163/92mmHg、体格指数(BMI)は24.5kg/m2、2型糖尿病合併率は43.7%だった。既往症は脳血管障害が9.8%、心イベントが37.3%、腎イベントが22.3%に認められた。2型糖尿病は、空腹時血糖≧126mg/dL、随時血糖≧200mg/dL、HbA1c≧6.5%、75g糖負荷2時間後血糖値(OGTT)≧200mg/dL、あるいは経口血糖降下薬服用のいずれかに相当する場合とした。

 延長期間中の血圧は、カンデサルタン群の方が高値だった試験開始後5年目を除き、両群間に有意差はなかった。試験期間のほぼ全期間を通してアムロジピン群の血圧が有意に低かったオリジナルのCASE-J試験とは、対照的である。CASE-J試験開始からの6年後の血圧平均値は、カンデサルタン群が133.9±12.0/75.7±9.4mmHg、アムロジピン群が134.1±11.7/75.9±8.8mmHgだった。
 

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