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日本糖尿病学会2010
糖尿病合併高血圧へのARB利尿薬合剤、その評価は
多数例での検討では糖代謝に悪影響見られず

埼玉医大の山本仁至氏

 糖尿病合併高血圧に対する降圧目標は130/80mmHg未満とされているが、実臨床でこの目標を達成している患者は少ないのが現状だ。近年、単剤での目標未達成例に対して降圧薬合剤が注目され、実際に良好な臨床成績が報告されている。だが降圧利尿薬は糖・脂質代謝に悪影響があるとされることから、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)と利尿薬合剤の糖尿病合併高血圧患者への投与は、慎重に考える医師も多い。

 第53回日本糖尿病学会年次学術集会(5月27~29日、開催地:岡山市)で埼玉医大内分泌・糖尿病内科の山本仁至氏らは、同科を中心として行っているDIAMOND研究の中間解析結果から、糖尿病合併患者でもARB・利尿薬合剤は糖代謝に悪影響を及ぼさず良好な降圧を示したと発表した。

 DIAMOND研究(Diabetes in Moroyama with Nulotan/Dichlotride study)は、埼玉医大と同地域の診療所・病院が参加する多施設共同オープン観察試験。糖尿病合併高血圧患者で、常用量のARBによる単独治療もしくはARBとCa拮抗薬アムロジピンとの併用を1カ月以上行ったが、JSH2009ガイドラインが定めた130/80mmHg未満を達成できなかった成人症例を対象とした。除外基準は、2次性高血圧、心不全合併例、インスリン治療中、血清クレアチニン値2mg/dL以上の腎障害合併例などとした。

 ARB単独で治療中の患者は、ロサルタン50mg/ヒドロクロロチアジド12.5mg(商品名プレミネント)に変更、またアムロジピン併用患者はプレミネントとアムロジピン(5mg)に変更して、3、6、9、12カ月後に血圧測定および各種臨床検査を行った。1次エンドポイントは3カ月後の収縮期血圧(SBP)の変化量、2次エンドポイントは、拡張期血圧(DBP)の変化量、降圧目標達成率、血糖マーカー(HbA1c、血糖値)の変化などとした。

 今回発表されたのは、3カ月後の血圧を中心とした中間解析の結果だ。対象患者161例のベースラインデータは、平均年齢65.0±10.7歳、男性106人、血圧150.7±13.7/81.9±11.6mmHg、体格指数(BMI)25.7kg/m2、高血圧歴9.5±7.9年、糖尿病歴10.4±8.3年、脂質異常症合併率48.4%などだった。
 

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