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Heart Rhythm 2010
植込みデバイス作動停止に関するガイドライン発表
医師やデバイスメーカー社員の役割・拒否権なども明示

2010/05/26
山川 里香=医学記者

ガイドラインは米国不整脈学会のウェブサイトからダウンロードできる

 ペースメーカー(PM)や植込み型除細動器(ICD)などのデバイスの作動停止に関するガイドラインが欧米の関連6学会により策定され、5月14日、米国不整脈学会第31回年次学術集会(開催地:米デンバー)で発表された。

 本ガイドラインは、デバイス作動停止の根拠となる倫理的・法的原則、および患者とのコミュニケーションの取り方について医師の理解を深め、手順を示すことを目的に策定された。これに加えて、個人的信条によりデバイス作動停止に賛成できない医師やデバイスメーカー社員の権利と責任についても示している。終末期患者に焦点を当てているが、終末期ではない患者にも適用される。

 本ガイドラインのポイントを以下に列挙する。

・治療中止により死亡する場合でも、意思決定能力を有する患者は医学的介入の拒否権/中止要請権を持つ。

・この権利は患者の人格権であり、治療の性質によって左右されるものではない。

・延命治療を中止しても、法的・倫理的に医師幇助自殺あるいは安楽死にはあたらない。

・医師個人の価値観に反する場合、デバイス作動停止の実行は強要されない。しかし、このような場合でも医師が患者を放棄することは認められず、他の医師に依頼しなければならない。

・メーカー社員も医師と同様、デバイス作動停止への関与を拒否する権利を持つが、その場合は他の社員を探さなければならない。

・患者の希望をよく理解した上で、デバイス治療のメリットとデメリットが患者の希望とどのように一致するかを説明し、患者の意思決定を支援することが医師の役割である。

・デバイス作動停止に関しての話し合いは、デバイスの植え込み前に開始しなければならない。患者の健康状態は変化するため、持続的なコミュニケーションが必要である。

 

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