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循環器プレミアム速報
セントラルモニターの心電図取り違え事故頻発
最近5年間に5件の報告、JCQHCが注意喚起

2010/05/19
大滝 隆行

 日本医療機能評価機構(JCQHC)は5月17日にホームページで公開した「医療安全情報No.42」で、セントラルモニターに表示された心電図の取り違えに起因する事故が2006年1月1日から10年3月末までに5件報告されたとして注意喚起を行った。

 病棟では、患者の心電図データを無線あるいは有線でナースステーションなどに送り、患者の生体情報を集中管理していることが多い。報告された事例のほとんどは、送信機のチャンネル番号の入力ミスにより、セントラルモニターに別の患者の心電図が表示され、それを見た医師が本来不要な治療・処置を行ってしまった事故。

 JCQHCの「医療安全情報No.42」に記載されたある事例では、看護師が患者Aの心電図モニターを表示するため、セントラルモニターを設定する際、送信機のチャンネル番号を間違えて入力。入力した番号は患者Bが使用していたため、セントラルモニターの患者Aの心電図が表示される場所に患者Bの心電図が表示された。その心電図に心室性不整脈が認められたため、患者Aに治療が行われてしまった。

 この事例が発生した医療機関では、(1)受信している心電図のチャンネル番号が患者に装着されている送信機と合っているかを確認する、(2)セントラルモニターの設定手順を確立する──といった対策を取ることにしたという。

 また、同事例を分析したJCQHCの総合評価部会は、「無線の医療機器を使用する際は、院内にチャンネルなどを管理する人を配置するなど、責任体制を明確にする」といった対策を取るよう提言している。

 セントラルモニターの使用では、送信機のチャンネル設定を看護師などが1人で行って一度入力を間違えたら、その間違いを発見することは難しい。心電図モニターを装着する際は、送信機とセントラルモニターのチャンネル番号が一致することを複数の人間で確認するなどの対策も必要といえそうだ。

 JCQHCの「医療安全情報」は、医療事故の発生予防、再発防止のために、国立病院機構などの全国の医療機関で収集された事故情報事例を総合評価部会の専門家が分析し、作成したもの。厚生労働省の補助による医療事故情報収集等事業として行われている。





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