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STROKE2010
若年者の脳卒中は必ずしも減少していない
好発年齢となる前から危険因子の発見と管理が重要に

2010/05/19
高橋 浩=メディカルライター

中国労災病院の豊田章宏氏

 2002~08年度に全国の労災病院で治療を受けた脳卒中患者約5万例の年齢分布を年度別に調べたところ、60歳代、70歳代の患者数は明らかに減少していたのに対し、40歳代では横ばい、脳出血に限るとむしろ増加傾向を示していたことが分かった。中国労災病院脳卒中科・リハビリテーション科の豊田章宏氏らが、第35回日本脳卒中学会総会(4月15~17日、開催地:盛岡市)で報告した。

 わが国の脳卒中は高齢化がますます進んでいる。しかし、「日常診療では若年の患者は決して減少していないと感じることが多かった」(豊田氏)ことから、全国の労災病院のデータを解析した結果、判明したという。

 労災病院の病歴データは定期的に労働者健康福祉機構本部に集積されている。今回はその中から、02~08年度に全国の労災病院34施設で治療を受けた脳卒中患者計4万7763例のデータを抽出し、年齢、性別、病名(ICD 10)、在院日数および転帰を調査した。

 患者数を年度別に見ると、02年7079例、03年7135例、04年6968例、05年6886例、06年6696例、07年6575例、08年6424例と、特に05年以降で明らかな減少が認められた。平均年齢は69.7歳から72.0歳へと、2歳以上高くなった。

 70歳以上が占める割合も年々増加しており、08年度には60%を超えた。男女比はおよそ6:4で、ほとんど変化していなかった。平均在院日数は39.6日から32.9日へと、約7日短縮していた。死亡率は10%前後で、明らかな変化は見られなかった。

 

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