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新デバイス情報
急性脳血管閉塞に対する血栓回収デバイス承認

2010/05/07
高志 昌宏

写真 Merciリトリーバルシステムの先端部 あらかじめ塞栓部位の遠位側までマイクロカテーテル(青色部分)を通し、同カテーテルの内腔からニッケルチタン合金製のワイヤーを展開する。同ワイヤーの先端は自由解放下ではらせんループの形状をとり、これとポリプロピレン製の細いフィラメントが血栓と絡み合うために、回収が可能となる。(C) Concentric Medical, Inc.

 医療機器の専門商社であるセンチュリーメディカル社は4月30日、経皮経管的脳血栓回収用機器Merciリトリーバルシステム」(写真)について、厚生労働省から承認を受けたと発表した。

 同システムは急性期脳動脈閉塞を対象に、閉塞の原因となっている血栓を経皮的なカテーテル操作で回収する。栓子の回収により血流を再開させ、患者の救命や神経学的予後の改善を目的としている。

 適応は、原則として発症後8時間以内の急性期脳梗塞で、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)の静脈内投与が適応外、またはtPAの経静脈投与により血流再開が得られなかった症例。

 実際には発症後3時間以上からおおむね8時間までの急性脳血管閉塞で、内頸動脈、中大脳動脈、椎骨動脈、脳底動脈が責任病変となっている症例が、主たる対象になると見られる。

 デバイスを開発した米国コンセントリックメディカル社によれば、米国では第1世代となる製品が2004年8月に米食品医薬品局(FDA)の承認を受け、本システムによる治療実績は全世界で既に1万2000例以上に及ぶという。わが国で今回承認されたものは、改良され第3世代となる「Vシリーズ」で、米国では08年から使用されている。

 米国などで行われた第2世代までのデバイスを用いた臨床研究によれば、131例中75例(57.3%)で再開通に成功し、その49%は神経学的予後がmodified Rankin Scaleで0~2点(自立)だった(関連記事」)。

 

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