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日本内科学会2010
冷生食急速静注が低体温療法後の予後を改善
急性冠症候群の患者では社会復帰率が46%から75%に増加

2010/04/16
久保田 文

札幌医大の長谷 守 氏

 心原性の院外心停止症例に低体温療法を導入する際、冷却した生理食塩水の急速静注を併せて行うことで、神経学的な予後が改善することが明らかになった。札幌医大救急集中治療医学講師の長谷守氏が、第107回日本内科学会総会・講演会(4月9~11日、開催地:東京都)で発表した。

 低体温療法は、院外で心原性の心停止を起こし、自己心拍が再開した後も昏睡状態にある患者の神経学的予後を改善することが知られている。同大では、蘇生時にGlasgow Coma Scale(GCS)で7点以下の症例に対して体表ブランケットによる低体温療法を施行、深部体温(膀胱温)34℃で24~72時間冷却している。

 最近では、低体温療法をより早くから開始した方が予後もよいと考えられるようになっており、より急速に体温を下げるため、冷却した生食の急速静注を実施する施設が増えている。同大では07年から、低体温療法導入時に4℃の生理食塩水を1~2 L急速静注するようにした。

 この冷生食急速静注が予後を改善したかを検討するため、1999年4月から10年間に院外心原性心停止で体表冷却による低体温療法を施行した59例を、冷生食急速静注を行ったどうか、原因疾患が急性冠症候群かどうかで4群に分類し、患者背景や神経学的予後を比較した。

 神経学的予後は、1カ月後のCerebral Performance Categories(CPC)に基づいて、社会復帰(CPC1~2)、高度障害(CPC3~4)、死亡(CPC5)で評価した。

 

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