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日本循環器学会2010
心房細動患者へのスタチン、upstream治療の効果認めず
Shinken Databese 2004-2008の解析結果より

心臓血管研究所の山下武志氏

 心臓血管研究所付属病院の全初診患者を対象としたレジストリーであるShinken Databaseから、スタチンを投与されている心房細動(AF)患者と投与されていないAF患者との間で中期的な総死亡は同等で、心血管イベントやAFに伴う入院のリスクもスタチンの投与によって減ってはいないことが明らかになった。

 同研究所循環器内科の山下武志氏が、第74回日本循環器学会(3月5~7日、開催地:京都市)で発表した。

 今回、2004~08年の受診者からAF患者を抽出し、スタチンが投与されている患者とされていない患者の間で、その予後に差があるかを検討した。

 評価したエンドポイントは、総死亡、心血管イベント(血栓塞栓症、心不全、急性冠症候群、大出血)、AFに伴う入院とした。

 全AF患者(1311例)中、スタチンを投与されていた患者は111例(スタチン群)、投与されていなかった患者が1200例(非スタチン群)だった。

 ベースラインの患者背景中、平均年齢(スタチン群65.2歳 vs. 非スタチン群63.0歳、以下同様)、男性比(73.0% vs. 72.9%)、発作性AF比率(58.6% vs. 56.5%)、弁膜症合併率(19.8% vs. 16.8%)、TIAを含む脳梗塞合併率(4.5% vs. 4.0%)、左室駆出率(59.3% vs. 61.7%)などに、両群間で有意差はなかった。

 一方、BMI(24.4 vs. 23.5 kg/m2)、NYHA II度比率(34.2% vs. 18.3%)、eGFR(63.2 vs. 67.2 mL/min)、CHADS2スコア(1.7 vs. 1.0)、合併症としてうっ血性心不全(45.9% vs. 26.0%)、虚血性心疾患(26.1% vs. 6.8%)、心筋症(19.8% vs. 10.2%)、高血圧(57.7% vs. 34.4%)、糖尿病(35.1% vs. 15.7%)、脂質異常症(82.9% vs. 13.4%)、併用薬(服用率)としてワルファリン(63.1% vs. 34.6%)、アスピリン(72.1% vs. 35.1%)などは有意差があり、全体としてスタチン群で合併症が多かった。

 

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